11・11“巨大地震”発生説を追う!首都圏直下型は起きるのか

2011.11.05


東日本大震災では千葉県内でも各地で地割れが起こった。首都直下地震なら東京を中心に比べものにならない被害が予想される【拡大】

 文化の日の3日夜、茨城県取手市と、つくば市で震度4を観測した地震は、久々の強い揺れで首都圏の住民に衝撃を与えた。東日本大震災から、もうすぐ8カ月。専門家によると、3・11の大地震に誘発された首都圏直下型地震のリスクは高まっているという。問題は、その大地震がいつやってくるのか予測できないこと。ただ、3・11以降、揺れの大きな地震は毎月11日前後に必ず発生している。この“法則”に従えば、次は「11・11」。その日、何が起きるのか。 

 武蔵野学院大特任教授(地震学)の島村英紀氏は「震源地がだんだん海域から内陸へと移っている。内陸部のひずみが解放されて一連の地震が発生しているが、内陸部の地震は首都直下型地震を誘発する恐れがある。3日のような地震が続くようだと、直下型地震の発生リスクはさらに高まる」と警告する。

 東京の直下型地震といえば、1855年11月11日に発生した安政江戸地震が代表例だ。東京湾北部が震源とされ、マグニチュード(M)6・9、最大震度6強を記録。被害は死者4300人、倒壊家屋1万戸といわれている。

 政府の中央防災会議は安政江戸地震とほぼ同じ震源の「東京湾北部地震」を想定。冬の夕刻に発生した場合、死者1万1000人、全壊と火災焼失棟数が85万棟に及ぶとみている。

 大地震はいつ起きるのか。現在の科学で、それを予知する手立てはない。しかし、東日本大震災の余震活動が内陸部の地盤を刺激し、直下型地震を誘発するなら、余震の周期を見抜けばある程度の予測はできそうだ。

 3・11の地震後、被害の大きな余震は3回あった。4月7日、仙台市宮城野区などで震度6強の地震が発生、4人が亡くなった。同11日には福島県浜通りを震源とする最大震度6弱の地震で4人が死亡。7月10日、三陸沖を震源とするM7・3(最大震度4)の地震では小規模ながら津波が観測された。

 奇妙なことに、3回のうち2回は月の11日前後に発生している。そこで、毎月11日前後(10〜12日)に発生した震度4以上の地震を調べたところ、同じ時期に必ず発生していたことが分かった。

 特に目立つのは震災からちょうど1カ月後の4月11日で、福島県浜通りではM7・1の強い地震を皮切りに、最大震度4−5弱の地震が同じ日に頻発した。翌12日も最大震度6弱が発生した後、やや強い地震が続いた。その後もなぜか、毎月11日前後に中規模以上の地震が起きている。

 琉球大名誉教授(地震学)の木村政昭氏は「地震にはクセが出る。東日本大震災は4月11日に大きな余震が起こったことで、1カ月ごとに特徴ある動きを見せる地震とも考えられる。今後も11月11日、12月11日、さらに震災から1年の3月11日などで大きく動く可能性もある」と指摘する。

 こうした余震活動は、「本震が大きかっただけに、今後1−2年は続くと覚悟したほうがよい」(木村氏)といい、気はまったく抜けない。

 周期的な余震活動は首都直下型の地震を誘発してしまうのか。安政江戸地震が11月11日に起きたことも不安をかき立てる。

 

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