外務省は7日、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉で、日本では原則禁止されている医療分野の「混合診療」について、全面的な解禁が議論になる可能性があるとの見解を示した。民主党の経済連携プロジェクトチーム(PT)の会合で説明した。
混合診療は、保険診療と保険がきかない自由診療を組み合わせたもので、日本では一部の治療でしか認められていない。いまは自由診療を併用すると、保険が適用されず、全額が患者の自己負担になる。このため混合診療の全面解禁を求める声がある一方、解禁すれば、お金持ちだけが質のいい治療を受けられ、医療サービスに格差が生じるとの批判も強い。
これまで外務省は、混合診療について「TPP交渉では議論の対象になっていない」と説明してきた。だが、7日の資料では、日米の投資環境を話し合う「日米投資イニシアチブ」の2006年報告書で、「米国は混合診療の導入に関心を示している」と言及。それ以降、米国は特段の関心は表明していないとしつつも、「混合診療の全面解禁がTPPで議論される可能性は排除されない」と指摘した。