グローバルナビゲーション

TOP 秋田のニュース 全国ニュース スポーツ 住まい・不動産 くるま おでかけ お買い物 グルメ リンク
TOP > 秋田のニュース > 社説 > 記事
  • お手軽、ハゼ釣りのすすめ 東北の釣り満載、ガッ釣り

記事ツール


■ 秋田のニュース:社説

社説:自転車総合対策 安全確保へ意識改革を

 歩道を走る自転車のルール順守を徹底し、取り締まりを強化するよう警察庁が総合対策をまとめて全国の警察に指示した。スピードを出したり、携帯電話で話をしながら走る自転車が後を絶たず、歩道で事故が多発しているためだ。手軽な交通手段である自転車を「走る凶器」にしないため、社会全体で事故防止を図らなければならない。

 そもそも、自転車は道路交通法上は「軽車両」と位置付けられる。自転車通行可の標識がある歩道、高齢者や児童、子どもを乗せた母親などを除けば、車道の左側を走るのが原則だ。

 それが1960年代半ばからのモータリゼーションの進展で車道の自転車が危険にさらされた。このため例外的に歩道を走ることが容認され、長期間、例外が一般化してきた。「車道は危険。自転車は歩道を」との意識が、国民の間に根強いのもやむを得ない。

 しかし、歩行者の間を縫うように猛スピードで走る姿が目立つ都市部の状況を見れば、警察の対策強化は当然である。対策の柱には、悪質で危険な運転は交通切符(赤切符)で摘発することが据えられた。

 ただ、問題なのは自転車を歩道から締め出せばいいという単純な話ではないことだ。昨年発生した自転車が絡む交通事故は全国で15万件を超えた。8割以上が自動車との事故。歩道では加害者となり得る自転車の立場は、車道では逆転してしまう。

 自転車が安全に車道を走るには、自転車レーンの設置や障害物撤去などのハード整備が欠かせない。路上駐車の取り締まり強化も不可欠だ。ドライバーにも、自転車に配慮した運転への意識改革が求められる。

 対策の重要性は、都市部に限ったことではない。県内では昨年、自転車乗車中の事故で4人が死亡、436人が負傷。ほとんどが自動車との事故だった。

 自転車同士または自転車と歩行者が衝突した県内の事故を見ると、昨年は6人が、今年は9月末までに2人が重軽傷を負った。負傷者8人のうち小学生と65歳以上が5人。交通弱者が被害に遭っており、場合によっては死亡事故となり得る危険性を十分認識すべきだ。同時に、走行可能な歩道でも、歩行者優先という意識を徹底したい。

 県内の公道で歩道がある区間は2500キロ余り。うち約1400キロで自転車が通行できるが、必ずしも十分な幅員が確保されているわけではない。車道の自転車レーンもほとんど整備されておらず、ハード整備はすぐに進まないのが現状だ。

 だからこそ、まずは自転車走行のルール周知と交通安全教育を学校や職場、地域で徹底してほしい。全国的には、自転車と歩行者の事故で自転車側に数千万円の損害賠償支払いを命じる民事裁判の判決も出ている。安全教育に際しては、自転車に乗る上での、こうした責任の重さも説明していくべきだ。

(2011/11/02 付)

特集

自殺対策全国フォーラム
「2011いのちを守り、いのちを支える全国フォーラム」。自殺対策について活発に議論を深めた
東日本大震災
3月11日に発生した未曾有の巨大地震。秋田、そして各地の関連ニュースを更新
秋田げんきプロジェクト
秋田の元気をどう創るか-。プロジェクトを立ち上げ、さまざまな連載企画を展開する
白瀬・南極探検100年
白瀬の南極探検出発から100年。第51次隊同行記者リポートのほか、話題などを紹介
第28回さきがけ文学賞
入選(最高賞)は、永田宗弘さん=宮崎県都城市=の「光芒」に決まった

スポーツ特集

GO!GO!ハピネッツ
秋田ノーザンハピネッツ、2季目のシーズンが開幕!!

連載企画

老いと向き合う
高齢化率全国一となった本県。その中で、高齢社会を支える仕組みを模索する動きを追う(11/7更新
海外への翼は今
就航から10年を迎える秋田―ソウル便は、本県に何をもたらしたのか。その歩みをたどる(10/28更新
素顔のカンボジア
フォトジャーナリスト高橋智史さんが、カンボジアの「今」を報告(5/12更新

地方紙特集