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【自転車規制】車道通行の安全確保して |
2011年10月27日08時23分 |
警察庁が自転車の車道通行の原則徹底や、取り締まりの強化を全国の警察に指示した。
自転車が通行できる歩道を減らすことなどが柱だ。歩道通行が一般化している現状からの大きな転換となる。
歩道でのルール違反が絶えず、事故も増えているだけに「原点回帰」も理解はできる。ただ、車道に出れば今度は自転車が弱者となる。専用道の拡充なども並行して進めてもらいたい。
道路交通法上、自転車は「軽車両」で車道通行が原則だ。だが、交通事故の死者数が最悪だった1970年以降、車との衝突を避けるため例外的に歩道通行も認められるようになった。
具体的には自転車通行可の標識がある「自歩道」や、子供・高齢者が運転する自転車、車道の交通量が多く危険な場合などだ。
実際、全国の歩道のうち自歩道が半分近くを占める。高知市内もほとんどがそうで、自転車が歩道を通るのはごく日常的な光景となっていよう。
それとともに目立ち始めたのが、自転車乗りのルール・マナー違反だ。
スピードの出し過ぎや携帯電話を操作しながらの運転、無灯火や信号無視など危険走行が常態化してきた。その結果、自転車と歩行者の事故は10年以上、増加傾向が続いている。
本県でも自転車と歩行者が衝突し、歩行者が亡くなる事故が相次いだのは記憶に新しい。これでは車道通行を促す規制や、悪質な違反者の取り締まりを強化されても文句は言えまい。
むろん、自転車を歩道から「排除」するだけではいけない。自転車が絡む事故のうち一番多いのはやはり自動車が相手であり、その原因には自転車専用道などの整備の遅れが挙げられている。こうした安全対策をしっかり取ることが大前提となる。
近年、健康や環境への配慮といった観点から、自転車通勤などが注目されている。専用道の整備が進めばその流れも後押しするだろう。
一方で、車道に出た上で携帯電話の操作などをしながら走行すれば、事故の危険性はますます高くなる。また、これまで通り自転車の歩道通行が認められるケースもあるだろう。
自転車から歩行者を守るためにも、自転車と自動車の事故を防ぐためにも、自転車乗りのルール順守とマナー向上は欠かせない。どんな場合でも安全運転が第一である。 |
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