【コラム】空振り続きの大企業、今こそホームランを

 必ず勝たなければならない野球の重要な試合でヒットを打てず、空振りを繰り返せば、勝敗の行方は目に見えてくる。韓国を代表する企業各社の最近の経営実績を見ると、多くの苦労を重ねてはいるものの業績は今一歩で、まさに「空振り」の経営パターンを繰り返しているようで不安を禁じ得ない。

 これまで海外市場で順調に業績を伸ばしてきた主要企業の今年7-9月期の業績を見ると、二極化の傾向が鮮明に現れており、中には大幅に業績が低迷したケースも見られる。サムスン電子や現代・起亜自動車は実力を発揮したが、サムスンと共に韓国のエレクトリック産業をリードしてきたLG電子とLGディスプレーは悪戦苦闘しており、それ以外の主要企業も営業利益の減少に苦しんでいる。7-9月期は上場企業のうち62%が赤字を計上し、産業界全体が「業績ショック」を受けているといえる。

 「世界経済が落ち込んでいるためどうしようもない」という言い訳もしたくなるだろうが、それは受け入れられない。その理由は、韓国企業ほど良い環境で製品を作り、輸出できるケースはあまり見られないからだ。日本のソニーやパナソニックなどの主要企業は「歴史的な円高」のために「売れば売るほど損害」という状況で、手の打ちようがない。このほか、東日本大震災に伴う電力不足や、タイの洪水被害などの悪材料も、いまさら指摘するまでもないことだ。低価格で韓国企業を苦しめてきた中国企業も、人民元高に加えて中国政府による緊縮財政で企業の経営環境が悪化している。また欧州の企業も資金難に陥っている投資ファンドの標的となっている状況だ。

 大局的に見ると、韓国の輸出企業は「ウォン安」を恩恵として受け入れなければならない。「現在の“歴史的円高”に匹敵する“歴史的ウォン高”になった場合、どうするのか」とサムスン電子のある役員に尋ねてみた。するとこの役員は「数字で表現すれば、1ドル=700ウォンのレベルがこれに該当するだろう。企業は存続するだろうが、非常に困難な状況になるのは間違いない」と述べた。今年は当初ウォン高が予想されていたが、実際は早い段階で1ドル=1000ウォン台前半から1100ウォン台後半にまでウォン安が進み、輸出企業にとっては業績確保に大きなプラスとして作用した。

李光会(イ・グァンフェ)産業部長
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