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石巻・仙台の講話に計2000人

2011年11月06日

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津波被害を受けた西光寺を訪れ、出迎えた園児を抱き寄せるダライ・ラマ14世=5日、石巻市、小宮路勝撮影

 ノーベル平和賞を受賞しているダライ・ラマ14世(76)が法要を行った石巻市の西光寺と仙台市の孝勝寺には、それぞれ1千人前後の被災者が訪れ、講話に耳を傾けた。石巻の会場では、所々に損壊した家屋が残る被災地の姿に、ダライ・ラマも珍しく亡命時の様子を織り交ぜ、涙を浮かべて被災者を激励した。

 石巻で、ダライ・ラマは冒頭から熱心に語りかけた。「みなさんの深い悲しみと痛みを共有したい」。「悲しい思いをした子供たちを守り、強く育ててほしい」

 さらに、1959年3月に中国から亡命した際の思い出や、多くのチベット人が中国軍に殺害された経験を紹介した上で、「悲しみは、自身の心の力を高めるエネルギーに変えることができる」と呼び掛けた。

 講話は予定時間を上回り、ダライ・ラマが眼鏡を取って涙をぬぐったり、会場の本堂を出て、参道でモニターを見る聴衆に直接語りかけたりする場面も。最後には「復興後は、私に再訪の招待状を送って欲しい。一緒にお祭りしよう」と結んだ。通訳の女性は「講話で自らの過去に触れるのは珍しい。被災者に寄り添いたいとの思いが強かったのでしょう」と言う。

 今回の東北入りは4月に東京で開かれた震災犠牲者の法要で、福島県楢葉町から東京に避難中の宗教家、佐久間拓城さん(58)に東北の被災状況を聞いたことがきっかけだった。佐久間さんは講話の後、「ダライ・ラマ法王の涙を見て、感激で泣いてしまった」。西光寺の樋口伸生・副住職(48)は「ダライ・ラマが、自分たちに心を向けてくれたことは、被災者への安らぎになったと思う」と話していた。(石田耕一郎)

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