東ドイツ地域の製造業生産性が、統一から21年にして西ドイツ地域の90%に達したことが明らかになったが、南北統一の場合、北朝鮮地域の生産性が韓国の90%水準に達するまでには、これよりはるかに長い期間がかかりそうだ。統一直前の東ドイツと西ドイツの経済力格差が9.7倍だったのに対し、韓国と北朝鮮の経済規模は40倍の開きがあるためだ。
梨花女子大学のチョ・ドンホ教授は「東ドイツは社会主義圏で経済力が大きかったにもかかわらず、現在の水準に達するまでに21年かかった。東ドイツの経済規模にもはるかに及ばない北朝鮮をある程度の水準まで成長させるには、先が長い」と話した。
韓国政府から依頼を受け、南北統一所要費用に関する研究を手掛けた統一研究院・統一政策研究センターのパク・チョンチョル所長は「財政に余裕があればその時期をいくらでも早めることはできるが、南北統一後の堅調な経済成長を前提とする必要があるため、際限なく(北朝鮮地域の成長に)金をつぎ込むことはできない」と説明した。
また、対外経済政策研究院の尹徳竜(ユン・ドクリョン)先任研究委員は「名目賃金の引き上げは通貨統合によってある程度は達成できるが、労働生産性を引き上げるのは容易ではない」と語った。
統一直後、西ドイツの労働組合は東ドイツの労働者が高い賃金を求めて西ドイツに殺到することを懸念し、積極的に東ドイツに進出して労組結成をサポートし、企業と攻撃的な賃金交渉を行った。その結果、企業は東ドイツではなく周辺の東欧諸国に進出した。
尹研究委員は、これにより東ドイツ地域で大勢の失業者が発生し、ドイツ政府は多額の福祉費用を支出することを余儀なくされたと説明。これを踏まえ「南北は統一しても、北朝鮮地域の労働生産性がある程度の水準に達するまで、社会統合を最大限先送りする必要がある」と指摘した。
一方で、北朝鮮地域の生産性向上は意外に難しくないとの見方もある。高麗大のチョ・ヨンギ教授は「韓国の産業化ノウハウという目に見えない資源と、北朝鮮の豊富な地下資源を組み合わせれば、北朝鮮経済の正常化時期をはるかに早められる」との持論を示した。チョ・ドンホ教授も「北朝鮮の経済規模は相対的に東ドイツに比べ小さいため、うまく投資すれば急成長が可能な面もある」と予測した。