自民党政権が交代する直前の2008〜09年度に、「緊急経済対策」として地方に配られた補助金や交付金。地方自治体などは、こうしたお金の受け皿として多くの基金をつくり、国費3兆4412億円をため込んだが、10年度末までに41.4%しか使われていないことが会計検査院の調べでわかった。
東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島、茨城の4県を除く43都道府県と市区町村、これら自治体が所管する公益法人の基金を調べた。
08年度の国の2次補正予算と09年度の1次補正予算に注目。保育所の待機児童解消や雇用創出など19の事業を実施するため、自治体などに設置された基金は2518に上った。国費から流れ込んだ補助金や交付金計3兆4412億円がこれらの基金にプールされたが、10年度末時点で2兆140億円が積み残されたままになっていた。
検査院は、政府が緊急対策として補正予算を組んだために内容を検討する時間が短く、自治体の要望を正確に把握できなかった、とみている。