57歳の母は頑健である。月~金は派遣社員として銀行で働き、さらに土曜以外は夕方からスーパーでレジを打つ。そのため平日は7時50分ごろに家を出て、21時50分ごろ帰宅する。さらに午前3時ごろまで起きて色々やっているため、平日の睡眠時間は3~4時間。それで事足りる体質らしく、遅寝早起きは昔から変わらない。
で、水曜と土曜は川崎フロンターレの試合を見に行く。少なくともホーム戦と、関東200キロ圏内くらいのアウェイ戦には欠かさず出向いている。立ち消えになったけれど、韓国まで遠征する話もあったらしい。ホーム戦のときはチケットを取るために朝早くから等々力スタジアムへ赴くことも。結果として、一体いつ休んでいるのだというくらい忙しい。少なくとも睡眠時間はぼくよりも確実に少ない。
ぼくのような怠惰な人間と反りが合うはずもない。「それでは理解の余地もないでしょうねえ」とカウンセラーは呆れ気味に言った。カウンセリングを再開すると告げたときの反応は「はっ、金のかかることで」という忌々しげな台詞だった。その後「カウンセリングといっていったい何を治してるんだ?」とも言われた。
善悪の基準やマナーといったものは、適切な叱り方によって身に着けさせるものなのかもしれない。我が身を振り返るに、何故怒られているのか、何故殴られているのか、あまり理解していた覚えがない。母の気分そのものが手を挙げる基準だったし、手だけではなくモノが飛んでくるのを体罰と呼んでよかったのかどうか。
こうなると、ただ怯えて過ごすようになるか、どうせ何をやっても殴られるのだからと自暴自棄になるかのどちらかだ。ぼくはその両方らしい。今でも、近くで他人が腕を上げると咄嗟に頭を守ろうとする癖が抜けない。
幼稚園のころ、運動会のかけっこになると必ずわざと転んで泣きわめき、保母さんたちに慰められていた。それがわざとであることを当時のぼくは認識していた。母親も認識していて、いつも昼食時にぶん殴られていたけれど。
カウンセラーいわく、そういう方法でもないと大人の愛情など得られないのだと当時すでに考えていたことの証拠ではないか、とのこと。
小学1年生のときだったか、生協の豆腐工場のグループ見学に母がぼくを連れて行くことになった。それは平日だったため、母は学校へ「風邪を引いたから休む」という虚偽の連絡を入れた。電話を置いたあと母はぼくに向かって満面の笑みで小さくガッツポーズを決めたけれど、ぼくは激しい罪悪感に囚われて大泣きし、瞬時に機嫌を損ねた母に怒鳴りつけられた。
ぼくの目の前で親が他人に対して嘘をついた――しかもぼくのために――ことが悲しく、悔しかったのかもしれない。それ以来高校を出るまで、どんなに遅刻しようともズル休みを一切しなかった。
カウンセリングを進めるうち、半ばネグレクトや虐待に近い環境にあったことが明らかになりつつある。結局ぼくの問題は、そういう扱いを受けてきたことで自分自身がそういう扱いに値するクズだと刷り込まれてしまい、マトモな自尊感情が持てないまま情緒不安定な人間に育ったことにあるらしい。親に見捨てられたために、積極的に自分自身を見捨てるようになるのだそうだ。
もしかすると、あの気性の激しい母も祖母に同じような扱いを受けてきたのかもしれない。母と祖母の関係も、母のことをあまり話題にしようとしない親族たちも、どこかおかしい。実のところ、ぼく自身が父母の過去をあまりよく知らないことも、環境の異常さの証左なのかもしれない。
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y_arimさんのこういった話を見るにつけ、
余計なお世話かもしれませんが、親離れを早々にすべきだと感じずにはいられません。
それは精神的な意味でも実生活の意味でも、ですね。
お母様のパワフルさからもそれが伺えます。恐らくy_arimさんが支えられる部分は現状ほととんど無い様に見えます。となればy_arimさん側から若干依存している様に私には見えるのですが、親から自立するのがあらゆる意味での不和解決の一番の道に思えます。
本文読んだ後タイトル読んで本気で噴いてしまいました。
どっちもどっちも!どっちもどっちも!
宜しければ聴いてみてください。
大学の先輩から後輩へという薄い縁ですが、
袖擦れあうも他生の縁でしょう。それでは、またどこかで。
http://www.youtube.com/watch?v=fEIbBa3JPaQ
バッファローなんちゃらみたいなハナシですね。
y_arimの収入でカウンセリングは金かかるのぉ
ここは、自助グループのようなところに出入りして、自身の問題と対峙してみてはどうか?
必要なのはグループ療法を通じた自己認識である
生育環境に恵まれず精神医療の対象となる精神構造に育ってしまったのは確かだろう。
少なくともy_arimの生活習慣は確実に指導の対象ではある。
心の問題を「克服」できないかぎりは、このままズルズルと歳をとってクズ人間になるだけだ。
y_arimという愛玩人格がネットから消え去るのは惜しいと考えるが…
ありむーのお母さんに問題はない。むしろお母さんに問題があると思いこませるカウンセラーに洗脳されてありむーさんの精神状態が悪くなっているように見える。親戚のおじさんとかお母さんが聞く耳をもつ相手に相談した方が良い。ネットは救いにならない。
今までのy_arimさんのブログからの記述で鑑みるに
お母様はy_arimさんにできれば頼りたいのでしょうが
y_arimさんが定職に就いていない、精神面で病院に行っているという事などで
頼りにならない・放っておくのが気が気でない(悪い言い方するなら他人に迷惑を掛けかねない)と懸念している結果から
目の届く範囲に居てもらいたい、しかし内心では自立も求めていると思われ(そうでないと頼れないので)ときにy_arimさんに辛く当たる場合があるのだと考えます。つまり一人前になってくれ、という態度が厳しい言動になっているのかと。そして仕事を精力的にしているのはこれらの表れでもあると思います。y_arimさんを頼れないからこそ仕事に精を出さざるをえないのでは。
やはりy_arimさんが自立するのが一番てっとり早い解決法だと思いますよ。
と言っても定職を見付け住まいを見付け…というのは即刻できるわけではありませんので、
まずは安定した収入を得られる仕事はしなければならないかと。また、誰か親身になってくれる方がいるなら相談してみた方が良いでしょうね。
ちからになってあげたいけれど、blog から知り得る情報には限界はある、ネットで貰えるコメントはあんまり参考にならないと思うべき。このコメントもそのひとつなのだけれど。オフラインの友人から助言をもらって、家をでる計画をたてるとかいうのはどうかな。相手を選ばなければ、月3万円台で、ルームシェアとか見つかるよ。非コミュの人には少々辛いかもしれないけど。この日記で読むかぎり、知らない人とも折り合いつけられてると思う。ついでにいうと日記を読む限りでは、君はバカでも無能でもないよ。ご武運を。
ご無沙汰です。思うところあったのでヒトコト失礼します。それを虐待やネグレクトと呼ぶかどうかには別の問題がありますが、少なくとも自尊感情をはぐくめずに育ってしまったor育てられてしまったということと、それが苦しかったということは誰にも否定できないことだと思いますよ。
知らず知らずに刷り込まれてしまってるものって確かにあって、そうやってはぐくまれたものは、周りからは意外と「なんで変えられないのかわからない」から誤解を受けることも多いと思います。もしかしたら有村さんはお母さんから巣立つために「チクショウ!」と対決するよりはそのままにしといてあげようとどっかで思ってるのかもしれないし(だって反抗するって相手を否定することにもなるから)、それならそれは優しさかもしれないです。よい道が見つかるといいですね。
それにしてもお母さんパワフルですね…寝ずにそんだけ動ける体力気力欲しいです。。。
おかあさんかわいそうです(;ω;)
追記
あなたは今でもこうやってネットで泣いて慰められているのですよね?
どう行動すればそんなことをしなくても愛され信用される人間になれるのか
本当にまだわからないのでしょうか?いい歳して?
虐待を当たり前の事として受け入れさせようとするコメがキモいな。そんな発言はモラルに悪影響があると思うし、そんな感覚の持ち主は、酷い親になる可能性が高そうだから子供は作らんで欲しい。また一人、世の中に不幸な子供が生まれる事になる可能性が高い。