大津市立中学2年の男子生徒(当時13)が10月、自宅マンションから転落死した問題で、この生徒が約1カ月前からいじめを受けていたことが、市教委の調査で明らかになった。
市教委によると、男子生徒は夏休み前から一緒に遊ぶようになった複数の同級生から、9月以降、教室などで繰り返し暴力や嫌がらせを受けるようになったという。担任の男性教諭は、別の生徒からいじめの報告を受け、この生徒が同級生と殴り合ったり、プロレス技をかけられたりしているのを目撃し、生徒に「大丈夫か」と声をかけたという。だが、「いじめの認識はなかった」と話しているという。
また、生徒の父親からは9月に2度にわたって「息子のお金の使い方が荒い」と相談があったという。その後の全校生徒を対象にしたアンケートでも「お金をとられたと聞いた」という回答があったが、該当する生徒らからの聞き取りでは確認できなかったとしている。
生徒が亡くなった2日後の10月13日、父親から学校側に「いじめがあったと聞いた。どんなことがあったか知りたい」という申し出があった。校長らは28日に調査結果を父親に報告したという。
市教委は今後、学校に週2回、スクールカウンセラーを派遣し、いじめに関わった生徒も含めた在校生の心のケアをし、いじめの防止を図るとしている。
父親は取材に対し、「息子が亡くなった事実をまだ受け入れられないが、学校には、いじめが2度起きないような環境をつくってほしい」と話した。