世に棲む日日

晋「い、いや、対人折衝においてね、やっぱ人間力とか必要でしょ？
そういうときは相手は女の子じゃなくて、それなりの男ですからね・・・。
こんなところで負けてはいられへんのですよ。」

俺「タイジンセッショウ？」

晋「ネゴ・・・仕事とかの交渉とか、そういうもんですわ。ああいうもんは、条件やなくて、人間力で決まったりもしますからね。」

俺「いや、何、急に難しいこと言い出してんのｗｗｗ？サルとどう関係あんのｗｗｗ？？？」

晋「・・・・」

俺「負けず嫌いっていうか、こんなの恥でもなんでもないでしょっ？？変に理屈つけてるだけじゃんｗｗｗ！！」

晋「俺さんも力貸してくださいよっｗｗｗ！！」

俺「なんで、こんな山で夜にサルに勝たなきゃならないんだよｗｗｗ。っていうか、相手にされて無いじゃんっｗｗｗ！！」

俺はこのときに、晋作君の本質の一つを見た気がした。

異常な負けず嫌い。

そして、これが晋作君が自分で言う、器の限界らしいｗｗｗ

しかし、この異常な意地、負けず嫌いが、彼の強固な精神を支えているもんだとも思うんだよな。

晋「俺さん、人間、艱難を共にすることが出来る奴が友達ですよ？富貴だけでは駄目っすよ？」

出たっ！高杉晋作名言集

「人間というのは、艱難は共にできる。しかし富貴は共にできない」（高杉晋作）

つまり、人間と言うのは、困難や苦難は共に出来るが、富は共に出来ないという高杉晋作の言葉だ。

晋作君は、ことあるごとに、幕末の名言（高杉晋作のものだけではない）を口にする。

俺「だから、サルと戦うことが艱難じゃないだろｗｗｗ富貴を共にしようよｗｗｗ」

晋「・・・」

俺「ね？？ね？？

晋「分かりました・・・。俺さんがそこまで言うなら、今回は引きましょう。」

俺（何を恩に着せてるんだｗｗｗ）

帰りの車の中、さっきのことなんか、すっかりって感じで、

晋「いやぁ、一時はどうなることかとｗｗｗ俺さんが止めてくれなければ
　　決死のバトルに発展するところでしたわｗｗｗ」

すんげーお気楽ｗｗｗ

俺「晋作君、君は恐ろしい男だねぇｗｗｗ」

晋「俺の左の肘のところに傷があるっしょ？」

俺「うん。」

晋「ほら、子供の頃、どれくらい高いところから飛びおりられるかで、順位が決まったりしませんでした？」

俺「まぁ、なんかイケてるグループみたいなっつーか、やんちゃな奴らはそうだったかな？」

晋「俺、絶対に負けたくないのと、どこまで大丈夫かってので、
　　すげー高いところから飛んで、大怪我したんですわｗｗｗそのときの傷ですｗｗｗ」

俺「うわぁぁぁ。痛かったろうなぁ・・・。」

晋「オカンとかオトンには、お前は全部、体で覚えんと、凝りひんなぁ・・・いつか、死ぬで・・・って言われてましたわｗｗｗ」

俺「見てて、危なっかしいよｗｗｗ」

晋「でも、止められへんのですよね。修羅場には、熱くなってしまうし・・・大好きやし・・・」

俺「やばくね・・・？」

晋「俺、人に止めてもらったことがあまりないから・・・
　　今、思えば、ほんまにアホなことしてるんですけど、そのときは必死ですからね。」

俺「完全に入ってたよねｗｗｗ」

晋「でも、その先に何があるのか・・・なにもあらへんかも知れへんけど、やってみな分からんでしょ？」

俺「まぁ、それはそうだけど。」

晋「でも、体が持ちませんｗｗｗ」

俺「少なくとも、サルと戦う必要はないと思うｗｗｗ」

晋「また、止めてくださいねｗｗｗ俺、上から目線で止められると絶対に止まりませんからｗｗｗ俺さんみたいに、
　　普通にビビッって、普通に逃げようって言われると、けっこう冷静になれますねｗｗｗ」

俺「何それｗｗｗ？？？」

晋「所詮、男は、しょ～～～もないプライドで生きてますからね。ほんまに、俺、しょ～もないわぁ・・・」

俺「俺にも、あるよ！！」

晋「ｗｗｗ」

こんな感じで、晋作君とサルのバトルは終わった。

もちろん、これで晋作君の全てが分かったわけじゃないけど、

少しは彼のことが分かったような気がしたんだよねｗｗｗ

おしまい