音楽って「ここでこういう風にしてほしい」「この音にピンって合わせてほしい」というところがあるじゃないですか。マリナはそれを裏切らない。だから点数が出るんだと思うんです。
■こだわりすぎず、自由な発想を持つマリナ・ズエワ
そしてマリナは自由な人。振付師は勝手に振りを変えると、「ここ、変えたでしょ」と小言をいう人がほとんどだけれど、マリナは決して怒らない。選曲にもそれほどこだわりません。
今回も「今季は世界選手権がフランスだから」と、オッフェンバックの曲を用意していたけれど、僕が「fantasia for nausicca(映画「風の谷のナウシカ」より)を持っていったら、聴いてすぐ「OK」してくれました。
そもそも、彼女は1人で振り付けません。アイスダンスなら、リフト専門のコーチがいて、マンボをやるなら、ラテンダンスの専門家を呼び寄せる。今回、「俳優は言葉を発するけど、スケートにはないでしょ」って、パントマイムの専門家や、クラウン(道化師)を呼んでくれました。
こういう出会いは、米国に住んでいる、元世界女王の佐藤有香さんのおかげです。父親は佐藤信夫コーチ、母親が久美子コーチ。僕にスケートを教えてくれた信夫コーチは「しっかり練習してきたから大丈夫。思い切りやってきなさい」っていう言葉を信じさせてくれる人で、有香さんは、僕がスケーターとして進むべき道を示してくれる人。
■両親、信夫コーチ……、そして有香さん
僕は本当に恵まれている。両親もスケート選手だから、スケートに理解があり、いつも用意周到に準備してくれていたと思う。気がつくと周りに頼っている環境ですから、最近、意識的に自分で考えて動くようになっています。だから、好結果にもつながっているのかな、とも思います。
でも、本当に大事なことにぶち当たったときは、やっぱり有香さんには電話しますね。最近、有香さんもトップ選手を大勢抱えて忙しいんですけど……。両親、信夫先生や久美子先生より、なんとなく話しやすいんです。
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