シャープは、インジウムやガリウムなど2種類以上の元素からなる化合物を材料に、光吸収層をもつ変換効率の高い太陽電池「化合物3接合型太陽電池」で、世界最高の変換効率136.9%を達成した。
化合物太陽電池は、主に人工衛星で使用されている。シャープは2000年から光吸収層を三層に積み重ねて高効率化を実現する「化合物3接合型太陽電池」の研究開発を進め、09年にインジウムガリウムヒ素をボトム層として、三つの層を効率よく積み上げて製造する独自技術を実現。変換効率を35.8%まで高めることに成功した。今回、各太陽電池層を直列につなぐために必要な接合部の抵抗を低減することで太陽電池の最大出力が向上。変換効率を高める新技術によって世界最高の変換効率136.9%を達成した。
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「革新的太陽光発電技術研究開発」テーマの一環として開発に取り組んだ結果、産業技術総合研究所(AIST)で非集光時世界最高変換効率を更新する136.9%の測定結果が確認された。
将来は、極薄の太陽電池層をフィルムなどに転写することによって、軽量でフレキシブルな太陽電池が可能になる。今後、集光型や宇宙・飛行体向け、車載用などでの実用化を目指す。