沿革と現況学園歌・応援歌学園誕生物語


 

校長室だより                   

金光学園中学高等学校長 金光 道晴


平成23年11月1日更新

 金光学園の校長室は正面玄関を入ってすぐ左にあります。私はいつもほと
んど窓を開けて仕事をしています。校長室は中学と高校を結ぶ廊下に面して
いますし、事務室や食堂、保健室にも近いので、いろいろな声や音が聞こえ
て来ます。時にはにぎやかだったり、騒がしかったりすることもありますが、時
々音楽の授業の生徒たちの美しいハーモニーの歌声が聞こえてきます。
校長室のすぐ斜め向かいの4階に音楽視聴覚教室という教室がありますが、
音楽の授業も窓を開けて授業をしているようです。歌は中学3年生が歌って
いる「はなみずき」です。 CD やラジオからの声ではなくピアノの伴奏に合わ
せて歌う生の生徒たちの歌声で、何物にも代え難いものです。実は2学期に
なり、何度もその歌声が聞こえてくるのです。そんな清々しい歌声を聴きなが
ら仕事をしていると忙しさや大変さはどこかに飛んで行ってしまい心が落ちつ
きます。音楽の力、歌声の力、生徒たちの力はすごいと思います。
 今週の10月25日には中高全学年中間考査を終え、2学期の後半がスタート
しています。10月30日は、来春金光学園の受験を考えている小学校6年生と
中学3年生を対象にした学園独自の模擬試験を実施しました。小学校6年生
が401名、中学校3生が学園中の生徒も含め396名、約800名の児童や生徒
が本番と同じように受験しました。中高ともに昨年より多くの受験者数になっ
ており、有り難いことであります。年明けに行われる本番の入試(中学は 1/5
、高校は 1/30 )でも大勢の応募を願っているところです。
  10月は卒業生の同窓会に二度参加させてもらう機会がありました。一つは
10月15日に東京で行われた「ほつま同窓会東京支部総会」で130人近くの卒
業生が集いました。私も校長の立場での参加は初めてでしたが、大先輩や
懐かしい同級生や教え子達に会うことができとても楽しく嬉しいひと時を過ご
すことができました。以前参加した時よりずっと盛会だったと思います。
前総理大臣の奥様の管伸子夫人にもお会いすることができましたし、前校長
佐藤元信先生も出席されていました。お二人ともに少し肩の荷がおりたよう
な雰囲気を感じさせていただきました。
  もう一つは10月22日に開催された高9回(昭32年)卒で今年73歳を迎えら
れる年齢ですが、その方々の恩師の先生が5人も(西山英子先生、花田尚三
先生、原田昌嗣先生、佐柳眞先生、中桐喜陽子先生)元気で出席され、80名
を超える方々の参加で盛大に開かれました。卒業して54年目になられるそう
ですが、田主智彦前浅口市長や私の中学2年、3年の担任であった貝原伊真
代先生方の期でした。なお、母校金光学園に熱い思いを持ってくださっており
元気をいただくことができた会でありました。
  10月27日の朝日新聞、山陽新聞など多くの新聞に明治36年(1903年)の第
5回の卒業生である茅原基治さんにかかわる次のような記事が掲載されま
した。
「『ロシア革命時に出国を助けられた子どもの孫‐茅原船長の墓前で感謝』
  来日したのはモルキナさんというロシア人女性である。 1917年のロシア革
命の混乱の中で難民となった子どもたち800人の出国を陽明丸という貨物船
に乗せ助けた日本人茅原基治船長にお礼をということで来日し、笠岡のお墓
参りをした。モルキナさんは『船長の名は子供たちにとって善意と人道主義
のシンボル。心から深い感謝をささげます』と墓前で花束と同国旗を供え手
を合わせた。茅原船長はウラジオストックを出航し、東回りに太平洋・大西洋
を横断し、フィンランドまで送り届け、ほとんどが母国に帰りついた。」というも
のでした。 2年前にモルキナさんはサンクトペテルブルクで日本人の篆刻家
北室南苑さんに会い、祖父母から聞いた史実を伝え、船長のその後を探し
てほしいと懇願したのがきっかけ。北室さんは陽明丸・船長カヤハラなどわ
ずかな手がかりから、 2年かかって今年の7月に茅原基治船長にたどり着き
、そしてその茅原船長が航海の様子をまとめた初代校長に送った手記が金
光図書館にあることも判明したのです。
そして茅原船長が金光学園(当時は金光中学)の創立当初(明36年‐1903年
)の卒業生であることもわかりました。これまでに歴史的事実としても伝えら
れていなかったことや、当時の敵対関係にあったロシアの子どもたち800人を
救ったという、国や民族を超えて大変な働きをされた偉大な方が金光学園の
卒業生であったことは誠に有難く嬉しいことでありました。
  11月になりました。早いもので今年もあと2月で、新しい年を迎えることにな
ります。高校3年生にとっては追い込みの時期になりました。また他の学年も
1 年の内の後半期に入り、諸行事を終えてじっくり取り組む時期を迎えていま
す。晩秋を迎え、各地の紅葉の便りが届けられるようになりました。
昨年私は雪舟ゆかりの総社の宝福寺を訪ね、紅葉を楽しみました。確か勤
労感謝の日だったと思いますが、ちょうどその日は建物の中も見学ができ
、絵や書も鑑賞することができ、とても得した気分になりました。休みが取れ
ればのんびりともみじ狩りにでも出かけたいものだと思っているところです。

 




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