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とくしまマラソン
福島の3兄弟、感謝込め走る 6日のとくしまマラソン 2011/11/4 11:33 3兄弟はいずれも福島市に住む会社員佐藤純男(すみお)さん(34)と、双子の弟の造園業伸也さん(32)、同卓也さん(32)。誘ったのは純男さんの10年来の友人で、小松島市日開野町の会社員佐藤雅彦さん(34)。2人は大学卒業後、同じ会社に同期入社し、雅彦さんが徳島にUターンした後も家族ぐるみの付き合いを続けている。 震災後、原発から約70キロ離れた福島市でも高い放射線量を計測。買いだめで食料や燃料が街中から姿を消した。「純男、徳島に逃げてこい」。徳島への避難を勧めた雅彦さんに、純男さんは「家族と古里は捨てられない」と福島にとどまる考えを伝えた。 それならと雅彦さんは実家で作っているありったけの野菜を送り続けた。ジャガイモ、ナス、キュウリに水・・・。数回に分け、毎回段ボール箱数箱分を送った。 さらにとくしまマラソン参加者の追加募集が決まった5月、雅彦さんは純男さんら3人に「徳島で一緒に走らないか」と誘った。3兄弟は全員スポーツが得意だが、フルマラソンを走ったことはない。それでも「会ってお礼が言いたい。頑張っている姿を見てもらおう」と参加を決めた。 2年続けてとくしまマラソンに出場する雅彦さんは「沿道からの温かい声援やお接待は3人に力を与えてくれるはず。徳島でいる間だけでも放射能のことを忘れ、いい汗をかいてもらいたい」と激励する。 3人の目標は7時間以内の完走。「難しいかもしれない。それでも走り切ってみせる」と純男さん。厳しい状況が続く古里や自身の境遇と42・195キロの道のりを重ね合わせ、ファイティングスピリットをかき立てている。 【写真説明】初マラソンに向け、練習に励む(左から)佐藤純男さん、伸也さん、卓也さんの3兄弟=福島市(佐藤純男さん提供)
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