タイ洪水:日本車メーカー被害続出、現代自は…

 日本の自動車業界にとって今年は文字通り不幸続きの1年となりました。3月の東日本巨大地震で大きな被害が出たかと思えば、今度はタイの洪水で現地の工場が浸水し、その上歴史的な円高まで重なっているのです。そのため日本のメーカー各社は「最悪の1年」に耐え続けるしかない状況です。

 トヨタやホンダなど日本の自動車メーカー各社は、東日本巨大地震の影響から先月になってやっと完全復旧し、11月と12月の生産台数を最大限引き上げる計画を進めていました。

 ところが今度はタイの洪水という新たな問題が発生しました。タイの首都バンコクから北に100キロほど離れたアユタヤ地区に工場を構えるホンダや、40社以上の日本の自動車部品メーカーで工場が浸水する被害に遭っているのです。ホンダのタイ工場は先月4日から稼働が中断し、しかも機械の入れ替えも避けられないほど深刻な状況にあるようです。業界関係者は「この工場は最低でも6カ月は稼働がストップする見通しだ」と語っています。

 トヨタ自動車もタイで自動車の組み立てに必要な樹脂やプラスチックなどを製造し、日本にこれらの部品を輸出していますが、タイでの工場稼働中断を受けて日本国内でも生産が一時ストップしています。

 日本の自動車部品メーカー各社にはこのように多くの困難が降り掛かっていますが、現代・起亜自動車には3月の東日本巨大地震の時ほどの利益は回ってこないようです。まず現代・起亜自がタイに輸出している自動車の台数は、1年の世界販売全体の0.78%に当たるわずか4000台です。東南アジア全体でも日本車が85%という圧倒的なシェアを占めています。この地域のユーザーは日本車への信頼が非常に高いため、現代・起亜自にとって市場に参入して高いシェアを獲得するのは難しいようです。

 現代・起亜自は今年9月には米国市場でのシェアが7位にまで落ち込みましたが、10月には8.8%を記録して再び6位に浮上したようです。米国市場のように東南アジア市場でもチャンスを生かして善戦してほしいと思います。

チェ・ウソク記者
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