台風12号:死者27人、行方不明者54人

2011年9月4日 18時0分 更新:9月5日 10時39分

行方不明者の捜索が続く土砂崩れの現場=和歌山県田辺市伏菟野で2011年9月4日午後1時32分、後藤由耶撮影
行方不明者の捜索が続く土砂崩れの現場=和歌山県田辺市伏菟野で2011年9月4日午後1時32分、後藤由耶撮影

 近畿や東海などに記録的な豪雨をもたらした台風12号は、3日夜から4日未明にかけて中国地方を縦断した後、山陰沖を北上した。土砂崩れや河川の増水・氾濫が各地で相次ぎ、毎日新聞の5日午前10時半現在のまとめでは、全国で27人が死亡、54人が行方不明。和歌山県警は「検視した遺体は約40体に及ぶ」とし、死者数はさらに増えるとみられる。99人の死者・不明者を出した04年の台風23号以来の大規模被害となりそうだ。

 被害は特に紀伊半島に集中し、和歌山県で死者17人、行方不明者28人▽奈良県で死者4人、行方不明者22人▽三重県で死者2人。防衛省は4日、3県の知事の要請を受け、陸上自衛隊員約560人を現地に派遣した。

 和歌山県田辺市では4日午前0時40分ごろ、広範囲の山崩れが起き、5世帯23人が巻き込まれた。このうち山本正江さん(69)が死亡し、4人が行方不明。4日午前2時ごろには、同県みなべ町清川でも民家が土砂崩れに巻き込まれ、畑佳文さん(28)が死亡した。同県日高川町川原河では、籔内省三さん(80)が車で避難する途中、冠水した道路で立ち往生し、車内から遺体で見つかった。

 奈良県五條市大塔町では4日午前7時ごろ、大規模な土砂崩れがあり、熊野川源流の通称・天ノ川をせき止めて水があふれ、民家を押し流した。このため少なくとも11人が行方不明となった。

 三重県御浜町阿田和では4日午前7時15分ごろ、小田蒼生(たみ)さん(89)が半壊状態の自宅の前で倒れているのを近所の人が発見。搬送先の病院で死亡が確認された。4日午後6時半ごろには、同県紀宝町大里、下地留吉さん(87)の遺体が自宅の入り口近くで見つかった。下地さん宅は約2メートルの高さまで床上浸水の跡があったという。

 気象庁によると、台風12号は5日午前0時現在、中心気圧994ヘクトパスカル、最大瞬間風速30メートル。今後、日本海を遅い速度のまま北上し、5日夜に温帯低気圧に変わると予想される。

 東日本や北日本では5日も激しい雨が降るところがある見込み。6日午前0時までの24時間の予想雨量は北海道200ミリ▽東海150ミリ▽関東甲信、北陸100ミリ。【飯田和樹、根本毅】

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