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【大リーグ】

イチローが消えて世代交代加速 ゴールドグラブ賞 初の落選

2011年11月3日 紙面から

今季は無冠に終わったイチロー(共同)

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 守備の名手を表彰するゴールドグラブ賞の受賞者が1日(日本時間2日)発表され、ア・リーグでマリナーズのイチロー外野手(38)がメジャー11年目で初めて選出されず、受賞は10年連続で途切れた。今年は、例年と異なり外野はポジション別、さらにスポーツ専門局ESPNの番組内で両リーグ同時に発表。イチローやヤンキースのデレク・ジーター遊撃手(37)ら受賞の常連組が外れ、計9人が初選出となるなど“世代交代”を印象づける結果となった。

◆35歳以上はポランコ一人

 メジャーに世代交代の波が押し寄せた。受賞を逃したのは10年連続で途切れたイチローだけではない。2004年から昨年までの7年間で5度選ばれているジーター、その名手の同僚で05年以降4度選出のマーク・テシェイラ一塁手(31)も落選。外野手では、01年から9年連続受賞と常連だったエンゼルスのトニー・ハンター外野手(36)が2年連続で逃した。

 今年のゴールドグラブ賞の受賞者を見渡すと、一気に若返りが進んだ印象はぬぐえない。ア・リーグの外野手3人、ロイヤルズのアレックス・ゴードン(27)、レッドソックスのジャコビー・エルズベリー(28)、オリオールズのニック・マーカーキス(27)は20代後半で、メジャー5、6年目。今が脂の乗り切った最盛期といえる。今回の受賞者で35歳以上は、3度目の選出となったフィリーズのプラシド・ポランコ三塁手(36)のみ。イチロー、ジーターらベテラン選手が一度、押し寄せた世代交代の波を打破するのは容易なことではないだろう。

 全30球団の監督、コーチの投票で決まるゴールドグラブ賞。かつての常連組が、再びその座を奪い返すにはグラウンドで結果を出し続けていくしかない。

 ▽ドジャース・カーショー「自分が受賞するだなんて、驚いた。サイ・ヤング賞も有力? もらえれば、すごく名誉なこと。結果がすごく気になる」

 ▽ドジャース・イーシア「いい気分だ。以前は、誰も俺を名手だなんて言ってくれなかったし、打者としてのみ評価されていたからね」

 ▽レッズ・ボット「これまでもらった賞の中でも特別だ。プロになった当初は、守備位置さえないDHだった。猛練習と学習意欲のたまものだと思う」

 ▽ロイヤルズ・ゴードン「ゾクゾクした。こんなにうれしい受賞はない。(今年は三塁から)守備位置を転向したから、今日のような状況は全く想像しなかった」

◆イチ無冠でマリナーズのメジャー記録も止まった

 イチロー無冠で、マリナーズのメジャー記録も止まった。地元紙シアトルタイムズによると、マリナーズはストライキでシーズン途中で打ちきりとなった1994年を除き、87年から昨年まで「23シーズン連続ゴールドグラブ賞受賞者輩出」というメジャー記録を更新中だった。

 今季のイチローはメジャー自己ワーストの守備率9割8分5厘(最高は07年の9割9分8厘)。7補殺も昨年に続き自身2番目に少なく(最高は03、04年の12)、4失策も3年連続で、自身2番目に多かった(最多は08年の5)。

 イチローは昨年のゴールドグラブ賞を受賞した際に「謹んでお受けいたします。でもおなかいっぱいではありません。まだ、おかわりしたいです」とコメントを発表。残念ながら“おかわり”が実現することはなかった。

 この賞以外にも、更新中だったメジャー記録のシーズン200安打が10年連続で止まり、さらに打率3割、オールスター選出も10年連続でストップ。球宴選出、打率3割、ゴールデングラブ賞(米のゴールドグラブ賞)はオリックス時代の94年から続いていた。

 まさに何もかも止まってしまったイチロー。来季からは、かえってすっきりとした気持ちでゼロからスタートを切れるかもしれない。

 

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