藤村修官房長官は2日の記者会見で、東京電力福島第1原発2号機で臨界が一時的に起きた可能性がある問題について、首相官邸や経済産業相への連絡が遅かったとして、枝野幸男経産相が深野弘行原子力安全・保安院長に厳重注意したと発表した。
藤村氏は「原発事故収束の取り組みは政権の最優先の事案で、場合によっては核分裂反応に発展している可能性があるという情報だった。速やかに伝達すべきだった」と語った。
核分裂で発生する放射性キセノンが検出されたのは1日午後。保安院は1日夜の段階で東電から連絡を受けたが、藤村氏は「(保安院は)温度や圧力のデータからただちに危険を生じる事態でないということで、翌朝に官邸や経産相に報告すると判断したと聞いた」と経緯を説明した。
保安院は首相秘書官に2日午前7時過ぎに連絡し、野田佳彦首相には秘書官から報告が入った。その後、枝野氏に伝わり、藤村氏が報告を受けたのは午前9時ごろだった。【小山由宇】
毎日新聞 2011年11月2日 19時38分