会社に1100万円支払い命令 京都地裁「裁量労働制」適用認めず
仕事の成果に応じて賃金を支払う「裁量労働制」を不当に適用され、時間外手当が支給されなかったとして京都市中京区のシステム開発会社「エーディーディー」の元社員(34)が未払い分など約1600万円の支払いを求めて反訴した訴訟の判決が31日、京都地裁であった。大島眞一裁判官は元社員の業務について「裁量労働制の要件を満たしていると認められない」と未払い分など計約1100万円の支払いを同社に命じた。
判決によると、元社員は2001~09年にシステムエンジニア(SE)として働き、顧客が開発したソフトウエア改修などを担当。同社はSEについて裁量労働制を採用していたが、裁量は限定的で営業など制度対象外の仕事もあった。
大島裁判官は、07年以降の時間外手当未払い額を約568万円と認定。休日、深夜手当が支払われなかったことなどから同額の付加金の支払いも認めた。
元社員の代理人は「裁量労働制の適用を認めず、会社側に時間外手当の支払いを命じた判決は初めてではないか」としている。
【 2011年10月31日 20時57分 】
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