viBirth Artist Interview♯025『cotorich』
ビデオ・ブロガーとして、<YouTube>などにアップロードするユニークな動画が話題になり、国内外に多くのファンを持つようになったcotorich。それ以前はAV女優として活躍し、出演作品が驚異的な売上げを誇る中で引退。後、2009年には写真家としての活動をスタートし、写真集を発売した彼女は、その翌年に国際文化カレッジが主催する『第14回総合写真展』にて優秀賞を受賞した。しかし、その功績を以ってしても、cotorichの多才な才能は留まることを知らなかった。2010年に歌手として音楽活動を開始し、これまでに3曲を配信限定にて発表。そして新たに「かみさまのうた」をリリースする。強烈な個性を放つ彼女の何とも言えない不可思議な世界観に彩られた音楽に纏わる話、多岐に渡るクリエイティブな活動について、そしてこれからの展望を伺った。 |
-昨年デビューされたそうですが、歌手としての活動をはじめたきっかけは何ですか? 実は特にずっと歌手になりたかったというわけではないんです。鼻歌は昔から歌っていましたけど(笑)。自分の中にあるものを表現していく過程で、それがたまたま“歌”になっただけで自分にとっては自然な流れの中でのことでした。現在ではこういったviBirthさんみたいな音楽配信サイトもあって、作品をリリースしやすい環境が用意されていますし。
普段は映像、写真、言葉など色々なものを使って、出来るだけわかりやすくシンプルに表現することを心がけているんですけど、作詞に関してはちょっと違うんです。出てきた言葉をそのまま歌詞に使ったりしているので意味不明なものもあると思います(笑)。眠っている時に見た夢から生まれていたりします。だから夢心地な感じがするような歌や、おまじないの呪文みたいな不思議な歌詞が多いですね。
夢の中に出てきた出来事や言葉をきっかけに歌詞を書いているんです。それらを忘れないように、起きたらすぐに夢日記を書いているんですよ。昔から日記はつけていたんですけど、歌を歌うようになってからは、それとは別に歌詞日記というものを書くようになりました。必然的に歌詞に関しても、コンセプトありきではなくて、そのとき表現したいと思ったものを反映させていますね。
日本って“八百万の神”っていう言葉があるように、沢山の神様がいるって言われているんですけど、この曲はタイトルの通り、そんな神様たちの名前がいっぱい出てくる歌。作り始めたのは昨年ですが、結果として「日本にはこんなに沢山の神様がいるんだから大丈夫!」これを聴いて元気になってもらいたいですね。作曲はこれまでの曲と同様、GOMARUYONZUBON(ゴマルヨンズボン)さんというアーティストが手掛けてくださいました。
「山崎ハコさん! 彼女を目指しているというわけではないけど、歌も声も大好きです。あとはフラワーポップコーンミュージックとか。わりとマニアックなものまでいろいろな音楽を幅広く聴いていますね。最近では自分でも作曲ソフトを使ったりして、曲を作ってみたいなって思っているんですよ。ライブもしたいし、もっと曲を出したいんですけど、なにしろ自分の中から出てくるものから作っているので、アイディアが浮かんでくるのを待つしかないんです。そのタイミングはわからないし、コントロールも出来ないものなのでなかなか大変です…。」
「オフィシャル・ブログに自分が撮影した写真を、それにまつわる短い言葉を添えて載せています。それらを集めた写真集も出しました。カメラは高校生くらいから始めたんですが、いつも持ち歩いて日常的に撮影しているんです。あとは動画撮影も行なっています。『東京元気』っていう東京の街を紹介していく企画のものや、別チャンネルの動画の中ではコスプレしたりもしています。最近は何かになりきってメイクしているところを撮影してみたり。色々なものを思いついたタイミングで表現しているんです。」
自分から生まれたものが何になるかはわかりません。だからどれに力を入れていくっていうのは正直決められないんです。もっと表現することの幅が広がったりするかもしれないし。最近今回の震災に関することをコメントして動画にアップしていますが、阪神大震災も経験した私にとって、“生きる”っていうことがとても大事なテーマだって考えるようになりました。あとですね、皆さん気になっているかと思いますが、AV女優という職業には戻りません(笑)。これからもこんなcotorichを愛してくださいね。」 |
異色のキャリアと、クリエイターとしての様々な顔を持つcotorich。彼女の内側から生まれた作品や世界観は、何にも誰にも似ていないオリジナリティ溢れるものばかり。いや、彼女の内面から生まれてきたものであるが故に、真似の仕様がないのである。様々な表現方法で繰り広げられる不可思議な“cotorichワールド”。しかしその作品の多くに、温かくピュアな印象を受けたのも事実だ。既存の職業に囚われない新しい形のアーティスト、今後の活動への期待は高まる。 取材、文/濱安紹子 |
cotorich「かみさまのうた」は、下記ウィジェットより試聴・DLする事が出来ます。
YouTube cotorich's Channel : http://www.youtube.com/user/cotorich
cotorich : http://cotorich.jugem.jp/