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事件
衆院標的サイバー攻撃 「捜査に国境の壁」発信源特定難しく
2011.10.25 22:05
官民区別なく次々と発覚するサイバー攻撃。警視庁公安部が三菱重工業の事件などで捜査を進めるなどしているが、発信源の特定は難しい。警察関係者は「攻撃元が海外だった場合、捜査には国境の壁も立ちはだかる」と指摘する。
ウイルスを仕込んだ「標的型メール」は、無関係な第三者のパソコンなどを経由して送信されることが多く、送信元が発信源ではないことがほとんど。ネット上の接続経路を隠す匿名化ソフトなどが使われていれば、経路をさかのぼること自体も難しくなる。
警視庁公安部の国際テロ関連情報がインターネット上に流出した事件でも、1年かけてもネット上の流出元を特定できていない。
三菱重工など防衛関連企業に送られたとみられるウイルスでは、中国語で遠隔操作するようなプログラムも確認されており、中国の関与の可能性も指摘されている。しかし、接続先が海外にある場合、捜査はさらに複雑になる。
一般の犯罪なら外交ルートで関係国に捜査協力を求めるが、サイバー攻撃は、国家機密や重要情報を盗み見る「スパイ活動」の可能性がある。捜査関係者は「他国の機関が関与していれば、本気で捜査に協力するとは思えない」と話す。
止まらないサイバー攻撃に対し、警察庁では企業と連携して対策に乗り出すなどしているが、衆院では被害発覚後も警察への相談を行っていなかった。警察庁の幹部は「警察に何らの相談もなかったことは理解に苦しむ」と、危機意識の希薄さに疑問を投げかけた。
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