やらせメール問題をめぐる九州電力第三者委員会元委員の岡本浩一・東洋英和女学院大教授(社会心理学)は31日、福岡市で記者会見し、「第三者委は本来、利害と離れて客観的な判断基準を示す組織。(発言などは)9月末の最終報告を最後にすべきだった」と、現在も九電への批判を強める元委員長の郷原信郎氏を批判した。
岡本教授は、古川康佐賀県知事の発言がやらせメールの「決定的な要因」と指摘した第三者委の最終報告書について、「『知事の真意をおくとして、発言が発端となった』とした調査チームの報告書のままの方が良かった」と指摘。「一つのストーリーに収れんしようとしたことに無理がある」と、郷原氏の手法を批判した上で、九電は報告書を修正する必要がないとの考えを示した。
郷原氏らが26日に発表した元委員4人連名の緊急メッセージで、九電が反論を続けたことに対する「反省」を求めたことも「私は同意していない」と否定。翌27日に郷原氏が九電に提案した第三者委との公開協議にも「私に諮られておらず、真意を測りかねる。私は参加しない」と述べた。
=2011/11/01付 西日本新聞朝刊=