夏に引き続き、冬も関西は節電を迫られることになった。既に店頭では「3K」をキーワードとした節電グッズが並べられている。省電力で暖を取れる「小型」「局所的」「携帯可能」の三つの「K」に絡んだ暖房器具や関連商品が人気だ。
産業用ガス販売大手の岩谷産業(大阪市)は、カセットガス(ボンベ)を熱源にする小型ストーブ(1万5750円)が好調だ。約2.4キロで持ち運びやすく、風呂場の脱衣所など一時的に利用する場所にぴったり。9月に販売したところ、生産量が年内にも予定の10万台に達しそう。小型石油ストーブも引っ張りだこで、暖房器具製造のコロナ(新潟県三条市)は重さ7~8キロのポータブルストーブ(1万~3万円)の受注が4~9月で前年同期比5倍となった。
電気暖房具でも局所的に暖まる商品が売れている。商社のツインズ(千葉県船橋市)が輸入した小型電気ストーブは、従来の半分の電力で足下や背中を暖める。前年比7倍の7万台を出荷した。
防寒着や湯たんぽなども増産が相次ぐ。繊維大手の帝人(大阪市)は断熱素材の掛け布団の販売を前年比約5倍に拡大する計画だ。昨年、約10万個の湯たんぽを製造・販売したマルカ(兵庫県尼崎市)も「去年の倍以上の引き合いがある」。
ヤマダ電機LABI1なんば(大阪市浪速区)では石油ストーブが好調。担当者は「『電気代はどのくらいかかるの』と聞くお客さんも多く、節電意識の高まりを感じる」と話す。【植田憲尚、川口裕之、宮武祐希】
毎日新聞 2011年11月2日 13時33分(最終更新 11月2日 13時57分)