米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)の工場をオバマ米大統領と訪れ、「米韓FTAは両国の利益になる」と訴える李明博韓国大統領=10月14日、米ミシガン州デトロイト郊外(AP)【拡大】
韓国が自由貿易協定(FTA)を積極的に推進し、「経済領土」を拡大し続けている。経済領土とは、FTAを締結した相手国・地域の国内総生産(GDP)の合計が世界全体のGDPに占める比率のことだ。
韓国の朝鮮日報によると、米国が批准手続きを済ませている米韓FTAを含めると、韓国の経済領土は約61%となり、チリ、メキシコに次いで世界3位に躍進する。日本の経済領土は約17%で韓国に大きく水をあけられている。
◆同時多発的に推進
韓国では、盧武鉉(ノムヒョン)前政権時代の2003年、「同時多発的なFTA推進」を標榜(ひょうぼう)する「FTAロードマップ」を策定。米州、欧州、アジアの各地域で比重の大きな相手とのFTA締結を優先して交渉を進めてきた。
韓国は、チリ(04年4月発効)、シンガポール(06年3月発効)、欧州自由貿易連合(EFTA、06年9月発効)、東南アジア諸国連合(ASEAN、07年6月物品分野発効、09年5月サービス分野発効、09年9月投資分野発効)、インド(10年1月発効)、欧州連合(EU、11年7月一部を除き暫定発効)とFTAを実施している。
ペルーとは10年11月、FTAに仮署名し、交渉の最終段階に入っている。米韓FTAは、韓国国会の批准手続きが残るばかりだ。韓国は、世界の10大貿易国の中で、初めて米国とEUの双方とFTAを結ぶ国となる。