福島県北塩原村の桧原(ひばら)湖と小野川湖で1日、ワカサギ釣りが解禁された。東京電力福島第一原発の事故後、ワカサギの検査で一時、国の基準値を超える放射性セシウムが検出されたが、その後は下回り、解禁にこぎ着けた。
裏磐梯の両湖のワカサギ釣りは毎シーズン、約7万人の釣り客でにぎわう。1月ごろ湖面が凍るまでは、ビニールハウスのようなドーム船や屋形船を使う。
この日は桧原湖に県内外から100人以上が集まった。船内の穴から釣り糸を垂らすと体長10センチほどのワカサギが次々かかった。横浜市から訪れた西田昌弘さん(70)は「福島を応援するためにも今年はぜひ来たいと思った。放射能は気にせず、食べます」と話した。
5月の県のモニタリング検査ではワカサギから国の基準(1キロあたり500ベクレル)を超える同870ベクレルのセシウムを検出。その後は同300〜400ベクレルとなり、地元漁協は例年通りの解禁を決めた。漁協は、県の検査とは別に毎週自主検査していく。(川田惇史)