
(株)入曽精密 齋藤氏
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(1) 1つの出会い
きっかけは経済産業省関東経済産業局で開催された「女性メーカー社長向けマーケティングセミナー」の席上、チームつかもとの橋本氏と内田が出会った所から始まります。2人とも講師として出席させて頂いていましたが、セミナー終了後、お互いの仕事内容を紹介しあって盛り上がり、その中で入曽精密の齋藤社長と言う人が「アルミの薔薇」を削りだしているという話が出てきました。正直その時は想像がつかなかったのですが、なんとなく面白そうでしたし、橋本さん曰く「2人を引き合わせればきっと面白くなる」ということで、齋藤社長のご紹介をして頂くことになりました。この時、世界最速のサイコロ誕生まで後3週間(松平アナウンサー風)。
(2) もう1つの出会い
この出会いの前に、もう一つの出会いがありました。青山スパイラルホールを運営しているワコールアートセンターの松田氏との出会いです。松田氏は「ランデブープロジェクト」というデザイナーとメーカーさんのコラボレーションプロジェクトのプロデューサーで、数々のコラボレーションプロダクトのプロデュースを手掛けてきた切れ者です。NIPPON STYLE プロジェクトの旗揚げ時、松田さんに加わって頂いたことで、“NIPPON STYLE”の商品開発にデザイナーさんの視点がきちんと組み込まれるようになりました。松田さんからは様々なクリエイターさんをご紹介頂きましたが、その中に「世界最速形態のプレミアムバスユニット」を発表された中村哲也さんがおられました。この時、“世界最速”の4文字が異様なまでに自分の頭のど真ん中に居座り始めました。「動かないはずのバスタブ×世界最速」という正反対の組み合わせがインパクトの源泉です。商品開発の常道手段ですが、意図的にミスマッチを狙う方法があります。しかしこのバスタブは、そんな細かい理屈を吹っ飛ばすほどのインパクトを自分の中に残しました。後で考えるとこれがサイコロ誕生の布石となっていた訳です。面白いもので、この中村氏のバスタブとの出会いが一ヶ月遅ければ、世界最速のサイコロは生まれていませんでした。偶然とは恐ろしいものです。
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