台風12号:岡山、姫路で30万人以上に避難勧告

2011年9月3日 19時40分 更新:9月3日 21時58分

3日18時の実況
3日18時の実況

 大型の台風12号は3日、四国を縦断し、夜に入って岡山県に再上陸した。時速10キロで北上している。四国や近畿、中国地方の一部で風速25メートル以上の暴風雨となり、西日本から北日本にかけての広い範囲で断続的に非常に激しい雨が降った。各地で観測史上最大の大雨となっている。毎日新聞の集計では松山市で川に流され、女性1人、奈良県では土砂崩れで男性1人が、それぞれ死亡したほか、和歌山県などで計6人が行方不明となり、兵庫県などで計32人が負傷。岡山市で22万5100人に、兵庫県姫路市でも9万人に、それぞれ避難勧告が出された。

 気象庁によると、台風12号は午後6時現在、中心気圧988ヘクトパスカル、最大風速30メートル、最大瞬間風速40メートルと依然、強い勢力を保っている。今後、4日朝には日本海に抜ける見込み。

 午後7時までの72時間雨量は、奈良県・上北山で1346ミリを記録。これまでの最大値945ミリ(99年8月)を大幅に上回った。このほか、観測史上最大値を更新したのは、和歌山県・本宮995・5ミリ▽奈良県・風屋982ミリ▽鳥取県・大山870ミリ--など。4日午後6時までの24時間は、近畿500ミリ▽東海400ミリ▽中国、関東甲信300ミリ▽四国200ミリ▽北陸、北海道150ミリ▽東北120ミリ--など、各地で激しい雨が降る恐れがあり、気象庁は「今後も厳重な警戒が必要だ」と呼び掛けている。

 住民への避難指示、勧告は広範囲にわたり、三重県紀宝町で約4400人、和歌山県の田辺市などで1100人に指示が出たほか、岡山市南、北両区では旭川と笹ケ瀬川の水位が上昇し氾濫の恐れがあるとして、勧告が出た。勧告は他に岡山県玉野市で市内全域の約6万5000人、鳥取県南部町でも町内全域の1万2000人に出された。鳥取県は災害救助法の適用を決めた。

 大阪管区気象台によると、今回の台風12号は、大陸の高気圧などに進路を阻まれる格好になっており、速度が非常に遅い。このため南から暖かく湿った風が吹き込み続け、豪雨をもたらしているという。【根本毅、内田幸一】

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