地方3書店が新会社設立 仕入れ・販促で協力地方に本拠地を置く中堅書店チェーンの大垣書店(京都市)、今井書店(松江市)、広文館(広島市)の3社は8日、書籍の仕入れや販促活動で協力していく新会社「大田丸」を設立した、と発表した。 出版不況や電子書籍販売の本格化で、地方書店をめぐる経営環境は厳しさを増している。3社は踏み込んだ協業をすることで、地域に根差した書店として生き残りを図る考えだ。 新会社は資本金300万円で各社が100万円ずつ出資。本社は大垣書店の本社内に置いた。今後、大手出版社の講談社も出資する予定で、ほかの書店にも参加を呼びかける。 大田丸は、大手出版社から新刊の発売時期や内容といった情報をいち早く入手して各参加書店に伝えるほか、書籍取次会社を通して、適量を迅速に仕入れできるよう交渉する。ただ仕入れ自体は各書店ごとに行う。 業界関係者によると、人気作家の新作など売れ筋の書籍の配本は、大手書店が優先される傾向がある。3社は手を結ぶことで、出版社などとの交渉能力を高める狙いがあるとみられる。 新会社の社長に就任した大垣書店の大垣守弘社長は記者会見で「電子書籍で業界が激変している。個々の企業が手を合わせて、荒波を乗り越える必要がある」と強調した。 【共同通信】
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