日本の自衛隊、南西諸島で訓練実施

尖閣諸島めぐり争う中国を意識

 日本の自衛隊が、かつて旧ソ連を念頭に置いて駐屯させていた北海道の部隊を南部の九州に移動させ、中国を意識した軍事訓練を実施することを決めた。

 NHKは29日「きょうから来月9日にかけて、北海道の第7師団と戦車などの装備が、南西部の鹿児島から沖縄までの地域に移動し、南西諸島の防衛体制を強化する訓練を実施する」と報じた。南西諸島には、中国と領土紛争を繰り広げる尖閣諸島が含まれている。また、大分県の訓練場では11月10日から22日にかけて、九州地域の部隊と北海道第7師団など2200人以上が参加して実弾訓練が行われる。北海道に駐屯する部隊が九州に展開して訓練を行うのは今回が初めてだ。

 日本の各メディアは、今回の訓練について「防衛省が昨年12月に発表した2011‐15年の新防衛計画大綱の『動的防衛力』の概念を本格的に適用したもの」と分析している。これまで日本での防衛の概念は、冷戦当時のソ連を主敵に想定しており、全国各地に陸上自衛隊を配置し、拠点を固定して防衛に当たる「基盤的防衛力」を軸としていた。だが、昨年12月、有事に備えて迅速に他地域の部隊を展開し、自衛隊の機動力を高め、戦力を増強する「動的防衛力」という概念が打ち出された。基盤的防衛力はソ連との対決を念頭に置いたものだったが、動的防衛力の強化は、このところ日本を脅かす存在として急浮上している中国をターゲットにした戦略修正とも読み取れる。

 一方、玄葉光一郞外相は29日、東京でインドのクリシュナ外相と会談し、南シナ海での日本の海上自衛隊とインド海軍の合同訓練の実施について、今後話し合いを進めることで合意した。共同通信は30日、日本とインドの訓練は中国に対するけん制の意味合いが強いと報じた。

権景福(クォン・ギョンボク)記者
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