福島県は29日、相馬市でおがくずなどを混ぜた菌床で栽培されたシイタケから国の暫定規制値(1キロ当たり500ベクレル)を超える850ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。原木を使わない菌床栽培のキノコが規制値を超えたのは初めて。県は同市の農家や関係団体に出荷自粛を要請。既に1070パック計107キロが地元JAから出荷され、自主回収が進められている。
出荷されたのは「愛情野菜 福島県菌床しいたけ」の100グラム入りパック。24~27日にJAそうま(南相馬市)から県内のスーパー9店舗に出荷された。相馬市内の別の農家の菌床シイタケからも500ベクレルを検出したが、出荷していないという。
国はキノコ栽培に使う菌床について基準値を設けていないが、8月12日、東京電力福島第1原発事故後に屋外に置いていたおが粉や原木の使用自粛を関係団体に要請している。それ以前は、汚染されたおが粉などが流通していた恐れがあるという。【関雄輔】
毎日新聞 2011年10月29日 20時29分(最終更新 10月30日 12時38分)