TPP=環太平洋パートナーシップ協定の交渉参加の是非を巡り、民主党執行部は、十分に党内論議を尽くす姿勢を示すことなどで、党内の意見集約を進める方針ですが、交渉への参加に慎重な議員は、野党とも連携して集会を開くことを検討するなど対決姿勢を強めており、党内の対立が深まっています。
TPPの交渉参加の是非を巡り、民主党執行部は、野田総理大臣が出席する今月前半のAPEC=アジア太平洋経済協力会議までに結論を出したいとしており、作業チームは連日、総会を開き、議論を本格化させています。こうしたなか、山田前農林水産大臣ら交渉への参加に慎重な議員は、仙谷政策調査会長代行が「宗教的関心なのか知らないが、党内合意を形成させない動きがあってはまずい」などと述べ、交渉参加に慎重な議員をけん制したことに強く反発し、政策調査会長代行を辞任するよう求めています。また、山田氏は「党の意見がまとまっていない状況で参加を表明すれば、離党もやむをえないという議員もいる」と述べ、執行部側をけん制しているほか、交渉参加に反対している野党の議員とも連携し、APECまでに交渉参加を決めることに反対する集会を開くことを検討しています。これに対して執行部側は、先月31日、山田氏に対し、今週は作業チームの意見集約は行わず、来週まで先送りする考えを伝えるなど、十分に党内論議を尽くす姿勢を示すことなどで党内の意見集約を進める方針です。さらに、輿石幹事長も、山田氏らの真意を確認したうえで、党内の意見集約に協力を求める考えを示していますが、慎重派の議員は対決姿勢を強めており、党内の対立が深まっています。