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セシウム:海洋流出、東電発表の30倍 仏研究所推定

 フランス放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)は28日までに、東京電力福島第1原発事故で海洋に流出した放射性物質セシウム137の総量を約2.7京ベクレル(2万7000テラベクレル。京は兆の1万倍)と推計する調査報告書を発表した。東京電力は5月に海に流れ込んだセシウム137の推計値を発表しているが、その30倍近くに相当する計算になる。

 報告書によると、これほどの量の放射性物質が海洋に流れ出たのは、過去に例がないという。

 調査は3月21日から7月中旬までの流出量を2.71京ベクレル(2万7100テラベクレル)と推計。そのうち82%は4月8日までに流れ出たとしている。

 報告書はまた、福島第1原発の立地が強い海流の流れる沿岸部だったため、太平洋の海洋汚染が「例外的なスピードで広まった」と指摘。今年秋以降、遠洋の魚介類に対する汚染の影響は弱まるとしつつ、福島の沿岸部では「相当な汚染が当分続く」と警告している。

 セシウム137は半減期が約30年で、汚染が比較的長期にわたる。(パリ共同)

毎日新聞 2011年10月29日 11時14分

 

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