福岡地検の検察官が5月、福岡地裁であった強制わいせつ事件の公判で、被告の親族が過去に性犯罪の被害に遭ったと明言し、その3カ月後の公判でも同様の発言をした。弁護人や地検への取材でわかった。地検は、プライバシーへの配慮に欠けた不適切な発言だったとして、この検察官を注意した。
被告は強制わいせつ罪などに問われ、一部を否認していたが、その後、有罪が確定した。
地検によると、検察官は5月の被告人質問で「被告の母親の調書によると、あなたの親族も性被害に遭ったのではないですか」という趣旨の質問をした。弁護人が「そのような調書は開示されていない」と異議を唱えると、検察官は質問を撤回し、「あなたが被害者にしたようなことを親族がされたら、どう思いますか」と聞き直した。