大阪市此花区のパチンコ店で5人が死亡した放火殺人事件で、殺人罪などに問われた無職高見素直(すなお)被告(43)の裁判員裁判の判決が31日、大阪地裁であった。和田真(まこと)裁判長は完全責任能力を認めたうえで、絞首刑が残虐な刑罰を禁じた憲法36条に違反するかをめぐる争点については「合憲」と判断。高見被告に求刑通り死刑を言い渡した。
裁判員裁判での死刑判決は10例目。日本が死刑の執行方法として唯一採用する絞首刑について、市民の意見が刑事裁判の判決に反映されるのは初めてとなる。判決後、被告側は控訴の意向を示した。
判決によると、高見被告は2009年7月5日、日曜で満席状態だった自宅近くのパチンコ店にガソリンをまいて火をつけ、客4人と従業員1人を殺害、10人に重軽傷を負わせた。