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リビアでテレ朝野村支局長の追悼試合を

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 リビアでまた、ラグビーをやろう-。エジプトからリビアへの移動中に交通事故死したテレビ朝日の野村能久(よしひさ)カイロ支局長(37)の葬儀・告別式が30日、都内の青山葬儀所で行われ、野村さんが所属した早大ラグビー部の関係者ら約800人が参列。同期のメンバーが、野村さんが亡くなったリビアで、ラグビー部OBによる追悼試合をすることを提案した。カダフィ政権が崩壊したばかりのリビアの再建祈願も兼ねるという。

 野村さんの出棺時、早大ラグビー部の関係者約100人が集まり、部歌「北風」を歌った。97年卒業の同期メンバーの主将で、前監督の中竹竜二氏(38)が叫んだ。「下を向くな! 上を向いて送り出そう!」。若すぎる死に、誰もが悔し涙を流した。そして、霊きゅう車を見送った後、同期たちは「次の目標」への気持ちを強くした。それが、リビアでの追悼試合開催だった。

 同期の1人は「前日(29日)の通夜の後、みんなで飲んだ時に、追悼試合の話が出ました。野村が亡くなったリビアで試合をしたいなあって」と明かした。野村さんはカダフィ大佐の死亡を受け、リビア人男性が運転する車でリビアのシルトに向かっている途中、交通事故で亡くなった。早大ラグビー部の同期たちは、野村さんが生きていた最後の国で、ラグビーの試合をささげたいという思いで1つになった。

 リビアでは独裁者のカダフィ大佐が殺害され、暫定政権樹立に向けて動きだしたばかり。情勢不安は続くが、前出の同期は「追悼試合を実現できるころには、リビアが安定してほしいという願いもあります」と説明した。同期だけでなく、少しでも多くのOBメンバーがリビアに渡り、リビアの再建祈願を兼ねた試合をすることが、現実的な目標になってきた。

 野村さんはテレビ朝日入社後も、早大ラグビー部OBを中心にしたクラブチーム「タマリバ」を立ち上げてプレー。昨年7月からカイロに赴任しても、地元のクラブチームに参加していた。同じく地元に赴任していた英、フランスなどの選手から「何でそんなにうまいんだ。日本代表だったのか」と言われていたという。ラグビーを愛し続けた野村さん。試合当日は、天国から仲間たちの魂のこもったプレーを見つめ、目を細めることだろう。【柴田寛人】

 [2011年10月31日8時41分 紙面から]


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