医学部を卒業した医師が、2年間、現場の病院で研修を行う臨床研修制度で、来年度は東日本大震災で被害が大きかった被災地の病院を研修先として希望する医師が減少していることが分かり、厚生労働省は支援策を検討しています。
医師の臨床研修制度は、免許を取ったばかりの医師に現場の病院での診療経験を積ませるため、2年間、研修を義務づけるものです。医師は研修先の病院を選ぶことができますが、来年4月からの研修では東日本大震災で大きな被害を受けた東北の病院を希望する医師が、去年と比べて減少していることが分かりました。このうち、宮城県の病院を希望する医師は98人で、去年より12人、率にして15%減少しています。福島県では、146人の定員に対し希望者は61人で充足率は40%にとどまり大幅な定員割れとなっています。震災のあと、厚生労働省は被災地の病院に限定して病院の見学会の情報を厚生労働省のホームページに掲載するなど支援してきましたが、被害の大きかった東北3県の病院を希望する医師は、去年より合わせて10%減少する結果となりました。厚生労働省は「今後も2次募集の情報をホームページで発信するなど、被災地の支援を検討していきたい」と話しています。