【コラム】ニューヨーカーを落胆させた韓国文化の宴

 世界最高レベルを誇る米国ニューヨークのメトロポリタン美術館で今月3日、潘基文(パン・ギムン)国連事務総長や「カリスマ主婦」ことマーサ・スチュワートさんら華やかなゲストを招き、韓服(韓国の民族衣装)や韓国の宮廷料理を楽しむ文化の宴が開催された。韓国服飾科学財団と宮中飲食研究院の主催で行われた「朝鮮の王、ニューヨークへ」と題するこのイベントは、現地の人々の興味をそそる企画が満載のように思えた。気温が急に下がった同日の夜、セントラルパーク横のメトロポリタン美術館には、韓国の伝統文化に出会えるという期待を抱いたニューヨーカーたちが300人ほど集まった。

 第1部のステージでは、朝鮮王朝時代の服飾を紹介する「韓服ファッションショー」が行われた。タレントのパク・サンウォンとチェ・シラが王と王妃に扮し、ステージに登場した。会場からは拍手が沸き起こったが、続いて登場した元ミス・コリアのイ・ウンヒの衣装を見るや、観客はけげんな表情を浮かべた。頭に草を巻きつけたかような帽子は、伝統韓服の延長線上と見なすには無理があり「未来の韓服」という主催者側の説明を聞いても納得できるものではなかった。続いて、波模様のタイトな赤いチマ(韓服の下衣)や、小さな電球が散りばめられたクリスマスツリーのようなチマを身にまとったモデルたちが次々に登場した。すると隣に立っていた白人男性が、あきれた様子で口を開いた。「ああいうのも韓国の伝統衣装ということですよね?」

 第2部のタイトルは「スラ:王の夕食」。観客に配布された資料によると「韓国の宮廷で王が食べていた料理」が登場することになっていた。美術館の1階に用意された食事会場は、韓国の宮廷料理を紹介するのにふさわしい、立派なものだった。午後8時からスタートした夕食では、コウライエビ(大正エビ)の蒸し物、タラクがゆ(牛乳がゆ)、カルビチム(蒸しカルビ)、伝統菓子の順に4種類の韓国料理が登場した。だが、朝鮮の王が食べていた宮廷料理を味わえると期待していた人々は、長い待ち時間にうんざりしてしまった。それぞれの料理が運ばれてくるまでに20‐30分の空き時間が生じ、食事の時間がトータルで2時間にも及んだからだ。パンフレットの写真では12種類のバンチャン(おかず)が華やかに並べられていたが、実際には次の料理が出てくるまで、皿は全て片づけられ、観客は何もないテーブルの前で退屈な時間を過ごすしかなかった。

ニューヨーク=キム・シンヨン特派員
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