経済産業省は25日、サイバー攻撃の被害拡大防止のためインフラ関連などの企業と情報を共有する会議を発足させた。同省は会議で、防衛や原子力関連の8企業・業界団体に聞き取り調査した結果、三菱重工業や業界団体「日本航空宇宙工業会」など4社・団体のパソコンの一部端末が、サイバー攻撃でウイルスに感染したことを明らかにした。
同省によると、「標的型メール」を使ったサイバー攻撃を受けた三菱重工と同様に、IHI、川崎重工業、富士重工業、日立製作所、東芝、三菱電機、日本航空宇宙工業会が最近標的型を含む不審メールを受信。4社・団体がウイルスに感染したことを確認した。
同省によると、三菱重工はデータの一部が社外に流出した可能性があるが、防衛や原発に関する、保護すべき情報の流出は確認されなかった。ほかの3社・団体は現時点で情報漏れは確認されていないという。
会議では今後、送受信者など企業にとって秘匿性の高い内容を含むサイバー攻撃の関連情報について、円滑に共有する仕組みづくりなどを協議する。
枝野幸男経産相は「情報の共有は企業だけでなく、国家の安全保障や国民の暮らしの安全や安心につながる」と述べ、官民の情報共有の仕組みを整える必要性を訴えた。
毎日新聞 2011年10月25日 22時12分(最終更新 10月25日 22時57分)