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【大リーグ】カージナルス 11度目の世界一!! 名将ラルーサ監督は自身3度目2011年10月30日 紙面から
5年ぶり11度目の王座だ!! 第107回ワールドシリーズは28日、当地で第7戦が行われ、カージナルスがレンジャーズを6−2で下し、ワールドチャンピオンに輝いた。ワイルドカードによる制覇は2004年のレッドソックス以来。カージナルスのトニー・ラルーサ監督は自身3度目のWS制覇を飾り、最優秀選手にはポストシーズン新記録の21打点をたたき出したデビッド・フリース三塁手が選ばれた。 真っ赤に染まったブッシュスタジアムが熱狂に包まれた。守護神モットが1球を投じるたびにわき上がる大歓声。マーフィーの打ち上げた最後の打球が左翼手クレイグのグラブに収まると、ボルテージは最高潮だ。プホルス、モリーナ、ファーカル…。マウンド付近には歓喜の輪の中で、誰もが喜びを爆発させた。 自身3度目の世界一を手にした指揮官でさえ、WS制覇は驚きの連続だった。ゆっくりとメガネを外し、歓喜の輪に歩み寄ったラルーサ監督は「信じられない。どうして優勝できたのか説明するのが難しい。驚異的だとしか言いようのない、素晴らしい戦いだった」と声を震わせた。 第6戦、あと1球まで2度も追い込まれながらも逆転勝ちした驚異の底力−。その神通力はこの日も消えることはなかった。2点を先制された1回にMVPに輝いたフリースがすぐさま左中間2点二塁打。3回にはまさに今WSの“ラッキーボーイ”となったクレイグが右翼席に決勝のソロをたたき込んだ。ともに「監督のおかげ」と声をそろえるのも当然だ。今季のメジャー出場が100試合に満たない準レギュラークラス。それでも老練な知将はその潜在能力を見抜き、大舞台で起用を続けた。 攻撃面だけではない。先発のカーペンターは第5戦の先発から中3日で登板。実は指揮官は試合当日の朝まで起用を悩んでいた。それでも最後は「他に選択肢はない」(ダンカン投手コーチ)という言葉を信頼。カーペンターも91球の熱投を演じて救援陣にバトンを渡せば、ここからはラルーサ監督の独壇場だ。 ゲーム終盤にめまぐるしいまでに救援投手をつぎ込む通称「ラルーサ・スイッチ」。7回以降は3イニングで4人の救援陣を小刻みにつなぎ、強力レ軍打線を封じた。 戦術にたけデータ重視のイメージの強い67歳の指揮官だが、決してそれだけではない。「野球には人間の力が必要なんだ」。第6戦で2者連続本塁打を浴びた新人のリンを8回に投入し、ミスを取り返す状況を演出。そんな人間味を随所に見せる采配も、ラルーサ監督の魅力の一つだ。 「選手にはすべて終わってから楽しもうと話をしてきたが、今、その時がきた」。レギュラーシーズン終盤、ブレーブスにワイルドカード争いで10・5差をつけられながら執念の逆転でPSに進出。そこから各シリーズを勝ち上がり、WSで見せた奇跡の物語もついに完結した。67歳の年齢から来季の去就は確定していないが、そのタクトに衰えの二文字はまったくない。 PR情報
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