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2011年10月30日14時0分

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ヘビなんかこわくない ツチガエル、イボ分泌液で撃退

写真:ツチガエルをくわえたものの、のみ込めないシマヘビ=吉村友里さん提供拡大ツチガエルをくわえたものの、のみ込めないシマヘビ=吉村友里さん提供

写真:カエルグッズを手にする吉村友里さん=岡山市拡大カエルグッズを手にする吉村友里さん=岡山市

 ヘビににらまれても食べられない!?――。そんなカエルがいることを九州大学の大学院生、吉村友里さん(27)らが確認し、10月中旬に岡山大であった個体群生態学会で発表した。イボから出す分泌液の味や臭いでヘビの捕食から身を守っているらしい。

 イボガエルとも呼ばれるツチガエル。体長約5センチで、北海道から九州の水辺に広く分布。ヘビにかまれるなどの危害を受けると、背中のイボから青臭い汁を出す。この分泌液のおかげでヘビに食べられないのでは、とのうわさは以前からあったという。

 うわさを確かめようと、吉村さんら九大生態科学研究室のメンバーはシマヘビ34匹にツチガエルを与えてみた。すると、かみつくヘビはいたが、のみ込めたヘビはいなかった。かんだ直後に口をよじらせ、何かを吐き出すような様子を見せたヘビもいた。

 別種のカエルでも、ツチガエルの分泌液を塗ってシマヘビに与えると、ヘビは嫌がったという。

 「分泌液を経験したヘビはツチガエルにかみつかなくなるようだ」と吉村さん。液の臭いが「警告臭」として働くとみる。「周りの仲間にヘビの接近を知らせる役目もあるのかも」

 吉村さんが試しにツチガエルをなめてみたところ、渋柿のような味だった。分泌液を口に含むと舌が1、2時間ほどマヒしたようにしびれ、感覚がなくなったという。(長崎緑子)

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