第一話 プロローグ
「宗、貴方はまた、赤点を取ったわね!!」
「煩いな!どうせ才能の欠片も無いんだほっといて!」
俺の名前は御門 宗。
学校はSt.ヒルデ魔法学院に通っている。
今年から中等部なのだが初等部の最後の成績が全て赤点だった為、母親が激怒している。
余りにも煩いので家を出て来た所だ。
今日はゲーセンで一夜を過ごすかな。
ゲーセンの入口前で女の子が絡まれてる。
あの制服はうちの生徒か?
はぁ、助ける義理は無いんだけど……俺がゲーセンに入れないんだよな。
「邪魔」
俺は絡んでる奴の顔面を殴り飛ばした。
「あ、あ、アニキ! てめぇ良くも……って!?」
「あぁ?」
「St.ヒルデの悪魔」
「うるっさぃ!」
俺は人を悪魔呼ばわりしている失礼な奴の顔面を蹴り飛ばす。
暴力?
違うよ……………天誅だ!
「おい、チビ助、お子様はお帰りの時間だぞ、はよ帰れ!」
絡まれてた子を見ると金髪に赤と緑の虹彩異色が印象的な子だった。
そして何かを訴える目で俺を見てくる。
なに?
喧嘩を売ってんの?
「あ、あの後ろのクレーンゲーム」
後ろを見るとクレーンゲームに金を入れた後だった。
ああ、このチビ助はクレーンゲームをしてたのか。
「ああ、ごめん」
俺が退くとチビ助はトコトコとクレーンゲームまで行き再開した。
10分後
「お~い、チビ助」
ビックゥ!
ポト
「ああ!」
今のは俺のせいなのか?
このチビ助…もう三千円くらい使ってたしな。
「なあ、そんなに欲しいのか……それ?」
「お友達の無くしちゃって同じのを見つけたから……」
「取ってあげようか?」
「えっ?」
「タダじゃないよ?」
「い、いくらですか?」
「たわけ!」
俺はチビ助にチョップする。
金で解決策しようなんて如何いう教育をしてんだか……。
「チビ助、何でも金で解決しようとしてると、ロクな大人にならないよ?」
「え、じ、じゃあ、か、体!?」
「待てマテまて! 何でそうなんのさ!」
「だって良くテレビで見るから……………」
「子供が、見ちゃいけません!」
ったく、最近の子供は恐ろしい。
俺はチビ助の狙ってたクマの人形を取ってやる。
「ほれ」
「え、えっと……」
「貸しにしとくよ、いずれ何かの形で返してよ?」
「あ、は、はい!」
「良い返事、帰るよ」
「え、えと?」
「お前の家の近くまで送ってあげるよ、夜道を君みたいなチビ助一人で歩かせる訳にはいかねぇだろ?」
「あ、ありがとうございます」
「気にすんな、てかこの自販ドクターペッパーがあるじゃん、飲もうっと、チビ助は?」
「え、あの、わたしは」
「早くしなよ……タダより高い物はないぜ?」
「じゃあ、わたしも同じやつで」
「ほれ」
「ありがとうございます」
暫く歩くと
「ヴィヴィオー」
サイドポニーのお姉さんが走って来た。
「なのはママー」
ママねぇ、あの若さはヤンママ?
「ヴィヴィオ心配したんだよ」
「ごめんなさい、なのはママ」
「所であの子は誰?」
「ああ、心配しなくても知り合いじゃ無いので……だだSt.ヒルデ魔法学院の制服を着てたので送っただけですから……それでは失礼します」
そう言って俺は二人に背を向けてゲーセンに帰る。
なのはサイド
あの子は一体……悪い子には見えなかったけど……。
「さっきの人、名前を聞いてないのに」
「ヴィヴィオ一体なにがあったの」
それからヴィヴィオに一連の流れを聞いた。
「そっか、今度会ったらお礼しないと…….ヴィヴィオもう一人でゲームセンター行っちゃだめだよ」
「うん……」
宗サイド
「ん?デビル……今日は遅せぇな?」
「ああ、番長か」
俺に話しかけてきたのは番長。
本名はハリー・トライベッカ、渾名が砲撃番長だから番長だ。
あっちも俺の渾名のSt.ヒルデの悪魔だからデビルと呼んでくる。
「デビル調子はどうよ?」
「全然、俺に合ったデバイスは見つからないし~」
「あれ? あいつは?」
「中等部に上がるからデバイスを作ってもらうんだってさ」
「そうか…………って、またゲーセンで一夜を過ごすのか?」
「ったり前!」
「相変わらずだな、お前」
呆れないでよ
その夜
「今日は何を食べようかな?」
俺は夕食を食べる為に歩いていたのだが
「よお、宗」
呑んだくれ爺に話しかけられた。
「仮にも武装隊のトップが、なにを呑んだくれてるんですか?ラルゴさん」
この人は、ラルゴ・キール、一応世間じゃ伝説の三提督と呼ばれてる英雄であり役職は確か武装隊栄誉元帥とか言うお偉いさんだった気がする…何かにつけて俺を気にしてくれる人で、タダ一人俺の話を信じてくれる人だ。
「仮にじゃなくて現行だ…それに良いんだよ、俺だって酒ぐれぇ飲みてぇんだよ…それと、ほれっ」
ラルゴさんは俺に黒いブレスレットを投げてよこした。
「これはデバイス!?」
「失敗作らしい…廃棄するらしくてな………持ってきた…タダでやるよ」
「持ってきた?」
「どうせ廃棄するんだから無くなるのも一緒だろ?」
「無断で持ってきたんですか!? 伝説の三提督の一人が犯罪者紛いの事を…………まあ、良いや、お前、名前は?」
『僕に名前は無いよ、失敗作だもん……どうせ役立たずだし』
「そうか……ならちょうど良い」
『僕の話しを聞いてた? 僕は失敗作……』
「だから?」
『へ?』
「お前が使えるか如何かは俺が決める……お前は俺の物だから俺色に染まればそれで良い」
『俺色にって、え、その、あの』
何故か妙に照れてるデバイスを無視して俺はマスター認証をする。
「マスター認証…御門 宗、術式は無し、俺の愛機に個体名称を登録……愛称はレヴィ、正式名称は傷の雷刃………行くぞ、レヴィ!」
するとレヴィから返事が返ってくる。
『うん!』
「バルニフィカス・レヴィ、セットアップ」
「問題はないか?宗」
「全然平気!」
「そりゃ良かった」
「有難くもらっていきます」
こうして俺はレヴィを手に入れた。
その帰り
『あの、何て呼べば良いかな』
「名前は登録したでしょ……好きに呼びなよ…俺はレヴィって呼ぶ」
『じゃあ、ご主人様!!』
「なんで……」
「僕はご主人様の物でご主人様色に染まるんでしょ………初めてだから……………優しくしてね」
ぐはっ
ば、ば、ば、馬鹿な!!
俺のデバイスがこんなに可愛いはずがない!!
『あの、ご主人様、何か心拍数が上がってるけど、お、怒ってる!?…………………夜の相手でも何でもするから捨て無いで……僕はご主人様の事が大好きだから!』
げふっ
何なんだ……この可愛い物は!?
やばい萌え死ぬ!!
「大丈夫…捨てたりはしないから」
『ほ、本当に!僕、嬉しい、よろしくね、ご主人様!!』
なんだ……この展開は?
まあ、良いか……しかし可愛いな此奴…誰だよ…こんな趣味的な人格を作った奴は?
+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。