1996年10月、岐阜県御嵩(みたけ)町の柳川喜郎前町長(78)が襲われた殺人未遂事件は30日午前0時、公訴時効が成立した。柳川さんは名古屋市内で記者会見に臨み、「ある日、すべてがチャラになる。被害者としてはしっくりこない。犯人は名乗り出て本当のことを話して下さい」と訴えた。
柳川さんは自宅前で2人組の男に棒のようなもので殴られ、一時は意識不明となる大けがを負った。
当時、御嵩町内では「東洋一」になるはずだった広大な産業廃棄物の処理施設が計画されていた。県警は、柳川さんが計画に慎重な姿勢を示していたことが、事件の背景にあるとみていた。初動捜査では犯人に結びつく目撃情報はなく、現場資料も少なかった。