タイ外相、韓国の治水技術に関心

 タイのスラポン外相=写真=は28日、ソウル市内のホテルで本紙の取材に応じ「韓国人には幸い治水技術がある」と何度も繰り返した。そして、タイを襲った大洪水を受け、韓国が義援金や即席めん、飲料水などを支援したことに謝意を述べた。スラポン外相は「バンコクの自宅も浸水しているだろうから、帰国したら韓国の物資で生活しなければならないかもしれない」と漏らした。

 韓国・メコン外相会議に出席するため韓国を訪れたスラポン外相は、27日には京畿道驪州郡の南漢江流域に建設中のかんがい用せき「梨浦せき」を視察した。スラポン外相は訪韓前、インラック首相から「バンコクを貫くチャオプラヤ川の氾濫を予防するための技術を学んでくるように」と指示されたという。韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領が推進する四大河川(漢江・洛東江・錦江・栄山江)再生事業の存在を知ったインラック首相の依頼で、スラポン外相は28日午後、李大統領との単独会談にも臨んだ。

 スラポン外相は梨浦せきを視察した感想として「このように洪水を防ぎ、水を利用することができる技術をタイも導入しなければならないと感じた」と述べた。

 スラポン外相はまた「タイにも韓国と同様にチャオプラヤ川など四大河川がある」とし、タイ版の四大河川事業を推進できるよう、技術支援と専門家の派遣を韓国側に求めたことを明らかにした。その上で「タイが今回の洪水で受けた被害を思えば、韓国が四大河川事業に投じた予算など大したことではない。タイも治水を真剣に考えるべき時が来た」と述べた。

 スラポン外相は、韓国・メコン外相会議に出席したカンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナムの閣僚とも今回の洪水について意見交換した。スラポン外相は「他国も洪水被害を受けており、メコン川も氾濫は避けられない。気候変化が激しくなっており、今後アジア各国間の治水面での強力が重要だとの点で意見が一致した」と説明した。

 タイが最も必要としているものは何かとの質問に対し、スラポン外相は「韓国人の心だ」と答えた。その上で「韓国の技術が必要だ。韓国水資源公社をはじめ、多くの専門家が支援してくれることを期待している」と訴えた。

 さらに「復旧作業が終わるまで、タイに投資した韓国企業がタイから撤退しないことがさらに重要だ。洪水被害が一段落したら、韓国の観光客に戻ってきてもらいたい」とも語った。

金真明(キム・ジンミョン)記者
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