ニュースランキング

'11/10/29

原子力協定交渉を促進 日印外相会談、レアアース共同開発も

 玄葉光一郎外相は29日、インドのクリシュナ外相と都内の飯倉公館で会談し、東京電力福島第1原発事故を受けて中断している両国の原子力協定締結交渉を進展させていくことで一致した。昨年10月に当時の菅直人首相とシン首相との会談で一致したレアアース(希土類)の開発協力の推進も確認した。

 日本はインドを含めトルコやブラジル、南アフリカなど5カ国と原子力協定の締結交渉をしていたが、いずれも原発事故後に見合わせている。今回の合意で国際原発ビジネスを再び進める姿勢を明確にしたことになるが、事故が収束していない中で批判も出そうだ。

 また玄葉氏は会談後の共同記者会見で「唯一の被爆国である日本の核軍縮への取り組みを理解してほしい」として、核実験時の協力停止の協定明記を求めた。

 原発輸出について野田佳彦首相は9月、国連で原発の安全性を「世界最高水準に高める」とした上で継続する考えを表明している。

 会談は2007年から毎年行われている両外相による「戦略対話」として実施。経済分野では、今年8月発効の両国の経済連携協定(EPA)を踏まえた貿易や投資の促進、首都ニューデリーと西部の商都ムンバイを結ぶ貨物鉄道建設計画への協力で一致。閣僚級の経済対話の早期実施も確認した。

 安全保障分野では、インド洋のシーレーン(海上交通路)の安全確保に向けた協力で合意。クリシュナ氏はインド海軍と日本の海上自衛隊による共同演習を提案した。

 クリシュナ氏は午後に野田首相とも公邸で会談。

 原子力協定は平和利用を前提とした原子力関連技術や核物質、機材の移転に関する2国間の取り決め。




HomeTopBackNextLast