名古屋グランパスは28日、愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで練習。DF阿部翔平(27)は、22日の大宮戦(NACK)でつかんだ攻撃面のいいイメージを11月3日のC大阪戦(豊田ス)以降の終盤戦へつなげていく。
左サイドの阿部が右前に大きくサイドチェンジ。ボールを受けた藤本のクロスを中央の橋本が頭で合わせた。ミニゲームとはいえ、絵に描いたようなサイド攻撃が完成した。起点となった阿部はゴールを見届けると、すぐに守備体勢へと切り替えた。
22日の大宮戦では、効果的な攻め上がりで攻撃を活性化した。「特に前半は攻撃参加できていた。それが得点につながればベストだったけど」。満足はしないが、手応えはある。後半には立て続けに失点する悪い面も出たが、ビハインドを追いつき、追い越せたことをプラスにとらえている。
2位以下を大きく引き離して独走した昨年は、3試合を残した31節の湘南戦でJ1初優勝を決めた。今季はその31節のC大阪戦を首位・柏に勝ち点3差の3位で迎える。ただ追う立場にいることで、目指すべき方向ははっきりしている。「一試合一試合やらなきゃいけないという気持ちがチーム全体からあふれている。一人一人が球際に粘りがある。その流れに僕も乗れている」。チーム一丸を実感している。
9日のナビスコ杯準決勝の鹿島戦に敗れて29日の同決勝に進めず、公式戦には短い空白が生まれた。阿部は「気付かないところで疲れもたまっているからこのブレークは大きい。試合勘が鈍るということもない」と、自然体で受け止めた。
C大阪戦は月が替わって最初の試合。「しっかり準備してモチベーションが保てていれば心配ない。11月一発目の試合を勝ってそのまま駆け抜けたい」。後ろから追い上げる姿勢は阿部の攻撃スタイルの真骨頂。チームの総合力が問われるシーズン終盤で、追われる重圧の中で戦った昨年の経験が生きてくると信じている。 (伊東朋子)
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