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野生キノコ店頭撤去の動き 東信地方、放射性物質を懸念 10月28日(金)

野生キノコが撤去された道の駅「雷電くるみの里」の商品棚=東御市

 佐久市志賀の山林に自生していたキノコ「チャナメツムタケ」から食品衛生法に基づく暫定基準値(1キロ当たり500ベクレル)を上回る放射性物質が検出され、県が26日に同市内の野生キノコの出荷自粛などを求めた問題で、27日、東信地方のスーパーや直売所の店頭から野生キノコを撤去する動きが出始めた。影響の範囲や期間を心配する声もあり、独自に検査をする飲食店もある。

 「佐久市という近隣地域から出た以上、後手に回るわけにはいかない」

 農産物直売所を併設する東御市の道の駅「雷電くるみの里」。運営会社は27日夜の会議で翌日以降の野生キノコ販売停止を決定。会議後、駅長の唐沢光章さん(75)は停止理由をそう説明した。

 県は国の基準に基づき佐久市内での採取や出荷の自粛を求めたほか、隣接する小諸市など4市町でも独自に採取や出荷を控えるよう呼び掛けた。東御市は4市町に入っていないが、唐沢さんたちは、もともと野生キノコの取り扱いが少ないことや消費者の不安を考えて決めた。

 スーパーのツルヤ(小諸市)は27日の開店前、佐久市南部で採れた露地栽培のナメタケやクリタケを店頭から撤去。野生キノコと違い露地栽培キノコは自粛対象ではないが、「消費者の不安もあり撤去した」と販売担当者。

 小諸市の和食料理店「べじたり庵 ふわり家」も、露地栽培の自家製キノコなどの提供を自粛。27日、安全性を証明するため専門機関にキノコを送り、放射性セシウムの検査を依頼した。

 佐久市にある県佐久保健福祉事務所に27日寄せられた問い合わせは約20件。「食べても大丈夫か」など安全性への質問が多く、自粛方針などの説明に追われた。松本市や飯山市の保健福祉事務所にも同様の問い合わせがあったという。

 東大大学院の鷲谷いづみ教授(生態学)=本紙夕刊「今日の視角」筆者=は野生キノコと放射性物質の関係について、「地中に広く張り巡らせた菌糸から土壌の放射性セシウムを吸収しやすい」と指摘。問題のチャナメツムタケが採取された群馬県境の土壌は、雨や風向きの関係で「局所的に放射線量が高いホットスポットだった」と推測している。

 県は「局所的な現象で、幅広い地域に影響が出るとは考えにくい」(信州の木振興課)とみるが、鷲谷教授は「キノコを食べた動物や山林火災などで放射性物質が運ばれることがある」とも指摘、長期的な警戒の必要性を訴える。

 「雷電くるみの里」の唐沢駅長も「来春の山菜の時期が心配だ」と、問題の長期化を懸念した。

 一方、佐久市から離れた南信地方などでの警戒感は比較的薄い。伊那市の農産物直売所「グリーンファーム」は27日もチャナメツムタケを販売、通常通り売れた。運営会社の小林史麿会長(70)は「不安の声は全くなかった。ここまでは影響がないと考えているのではないか」と話す。


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10月28日(金)の県内ニュース

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