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小沢元代表:起訴内容の金とは別に4億円の資金を移動

自らの公判の合間に衆院本会議に出席し、本会議場を出る民主党の小沢一郎元代表=国会で2011年10月28日午後1時34分、手塚耕一郎撮影
自らの公判の合間に衆院本会議に出席し、本会議場を出る民主党の小沢一郎元代表=国会で2011年10月28日午後1時34分、手塚耕一郎撮影

 資金管理団体「陸山会」を巡る政治資金規正法違反(虚偽記載)で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(69)の第3回公判が28日、東京地裁(大善文男裁判長)であり、検察官役の指定弁護士は、起訴内容の4億円とは別に、元秘書の衆院議員、石川知裕被告(38)=1審有罪、控訴=に元代表が指示して05年春にも4億円の資金を移動させていたと指摘した。

 閉廷後、指定弁護士は指摘の趣旨を「説明しない」としたが、複雑で多額な資金移動に元代表の指示があったと示すことで、本件の4億円の「偽装工作」にも元代表が関与していたと印象づける狙いがあるとみられる。

 この日は石川議員への証人尋問が行われ、指定弁護士は「陸山会口座はいろんな入金がある。かき集めているような外形をつくるためでは」と指摘し、05年春に4億円の入出金があった点をただした。石川議員は「小沢先生の指示で『改革国民会議』が入る紀尾井町のビルに取りに行った」と説明。これを陸山会の口座に分散入金した後、同年5月に元代表の指示で出金し、紀尾井町のビルに持って行ったと認めた。

 改革国民会議は小沢元代表が率いた旧自由党(03年9月解党)の政治資金団体で、現在は「小沢一郎政治塾」の運営費を支出しているとされる。

 指定弁護士が「マネーロンダリング(資金洗浄)を疑われるのでは」と問いただすと、石川議員は「それは銀行が感じること」と述べた。【和田武士、鈴木一生】

毎日新聞 2011年10月28日 21時12分(最終更新 10月28日 23時44分)

 

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