会社の事業理念は、ある作業の過程で自然に出てきていました

9月に設立した会社は、まだまともに事業を開始できていませんが、事業理念だけは早い段階で決まっていました。

それは、
「創意工夫によって新しい価値を創造し、世の中に送り出すこと」
というものです。

たった一人、資本金わずか100万円の合同会社なのに、なんだか偉そうな事業理念ですよね。

この文言は、実は今年の初め頃、経営していた会社の破産を決め、その申し立てをする際に提出する「陳述書」を書いているとき、ごく自然に出てきた言葉です。

陳述書には、経営していた会社がなぜ破綻に至ったのか、ということも含め、私の社会人としての過去の行いを書き記していくことを求められました。

ある意味、人生の反省文、みたいなもんです。

社会人としてスタートを切った時点から始まって、自分の経歴をず~っと書いていくわけですね。

そうすると、その作業の過程で、自分の行動の根底にある考え方、思い、みたいなものがあぶり出されてきたというか、整理されてきたんですね。

29歳でヤマト運輸を退職し、全く畑違いのコンピュータ業界に転身したわけですが、その後の私にはず~っとひとつのこだわりがありました。

それは、「製品開発」ということです。

世の中には数多くのソフトウェア会社がありますが、その多くは中小零細企業で、私が転職したいくつかの会社もそうでした。

そういった会社の多くは、大手のソフトウェア会社からの下請け受注や、技術者の派遣仕事を生業としていました。

当時はそういった仕事で十分事業は成り立ったし、規模を拡大していくこともできました。
そういう時代だったんですね。

でも、私には、どうしても何かしらの製品、商品を生み出したい、という欲求のようなものがあり、一般的なソフトウェア会社の仕事には満足できませんでした。

そういった思いの延長線で会社を設立しましたので、起業後も下請け仕事や人材派遣の仕事は一切やらないぞ、と思っていましたし、実際、そうして18年間、経営していました。

結局、最後はその「自社製品開発」へのこだわりのあまり、無謀な借入れをして会社を潰してしまったわけですが、自分のそのこだわり自体は間違っていなかったと思っています。

なぜ、そこまで製品開発にこだわるのか?

それを考えてみると、社会人として初めて仕事をしたヤマト運輸に行き着きました。

ヤマト運輸での話はいくつか書きましたが、当時は潰れるかもしれない、という会社が死に物狂いで知恵を絞り、工夫を凝らし、宅急便、という、それまで世の中になかった新しいサービスを生み出しました。

その強烈な体験が、自分の社会人生活の根底にあるんだなぁ、と陳述書をかきながら考えていると、冒頭の文言が自然と出てきたんですね。

なので、新会社設立の際にも、なんの迷いもなく、この言葉を事業理念にすることができました。

もちろん、この事業理念が単なるお題目に終わることのないよう、事業スタートへ向けて準備を整えています。

電子書籍化がすすむと、むしろ海賊版は減っていくのではないか?

村上春樹さん達の作品の海賊版がAppStoreで販売されていたことがニュースになりました。
書籍の電子化に反対している立場の人たちは、きっと、
「それ見たことか、書籍の電子化がすすめば海賊版で溢れかえるぞ」
と、益々電子化に反対していくんでしょうね。

でも、ちょっと考えてみると、電子書籍の方が、海賊版化しづらいのではないか、と思うんです。
私は出版業界には詳しくないので、あくまでも想像の範囲内でしかないですが・・・

 
海賊版は、なにも今回大騒ぎするまでもなく、今現在もどこかの国の怪しい街角へ行けば、有名小説家から人気漫画の作品まで何でも買えるらしい。

日本や他の国が抗議をしたところで、某国の国家権力がそれを取り締まり、自国民に著作権の概念を啓蒙する気がない以上、他国からは何の手の下しようもないですね。

したがって、今も野放し状態。

でも、ネットの世界で販売するとなれば話は別です。
リアル社会では日本から某国の路地裏の怪しい店に踏み込んで海賊版書籍を押収することは不可能ですが、ネットの世界なら国境はないですから、違法書籍を見つけることができれば何らかの手は打てるはず。

そのためには、電子書籍の販売に関するルールやファイルフォーマット等を国際的な機関が取り決める必要がありますけどね。

例えば、暗号化された著作権証明書が付いた正規の電子書籍でなければ販売してはならないし、それを販売するサイト情報はしっかり国際機関が一元管理する。

正規ではない書籍(というか、pdfも含めた文書ファイル)は、昼夜、探索プログラムがネットを巡回してまわり、違法書籍を発見すれば直ちに削除する、とか。(IT技術面では可能でしょうけど、国際ルール作りが大変か)

リアルの違法販売であれば、道端でもどこでも売ることができるけど、ネットはネットでしか売ることができない、つまりは店を出す場所が限られてるわけですから、上記のようなルールと仕組みを構築できれば違法書籍は高い確立で取り締まれるはずです。
ネットには必ず犯人に繋がる何らかの記録が残りますから、足もつきやすいでしょ。

あと5年もすれば、紙の書籍で出版したい、なんていうと、
「何言ってんの、紙の本だと海賊版にされちゃうじゃない、普通、電子書籍でしょう」
ってな時代になってるかもしれない。

それよりなにより、電子書籍の海賊版で大騒ぎするよりも、私は今現在横行しているリアルの世界の海賊版にこそ、大声で抗議すべきだと思います。

なにも国民の大事な財産は領土だけではありません。
日本国内の才能ある人たちが心血を注いで作り上げた作品を勝手にコピーして売りまくる。
これこそ、日本国民の財産を侵害してる、と私は思います。

あ、でも、もし電子書籍の海賊版販売が難しい、ということになったら、某国のたくましい人たちは、きっと電子書籍を紙に印刷して、それをリアルな街角で売り始めるかもしれない・・・・

御社の「売り」を小学5年生に15秒で説明できますか?

この本は、数年前に買って読んだんですが、最近、会社のホームページ制作過程で、色々考えを巡らしていて、そうだ、あれを読み返してみよう、と思った本です。

新規事業を軌道に乗せるためには、宣伝広告はとても重要ですよね。(もちろん一番大切なのはサービスや商品の中身そのものですが)

先々週、パブラボさん主催の内藤みかさんのセミナーに参加した際、印象的なお話がありました。
twitterのプロフィールに書く内容について

「自分のプロフィールはシンプルに。『自分が何屋なのか』ということを一言で言い表されていれば、見てくれた人の心に入りやすい」

といった趣旨のお話にすごく納得。

それを聞いて、そうそう、そうなんだよなぁ。
と、この本の内容を思い出し、その後、そのことで頭の中がもやもや状態。

自分は何屋なのか?
答えは簡単なようで、意外と難しいです。 続きを読む »

日本Androidの会主催のセミナーに参加してきました!

セミナーというより、Androidフォンの新製品説明会、みたいな感じでしたね。
でも、写真撮影禁止。
なんで?
すでに記者会見開いて発表してる製品なのに、何をもったいぶってんのか、儂にはわからん。

紹介されたのは、SHARPの3機種、auのIS03、ソフトバンクの003SH、ドコモのSH-03Cでした。
タッチアンドトライ、ということで、参加者の手元にそれぞれの機種が回ってきて、操作することができました。

KDDI IS03


 

ソフトバンク 003SH


 

ドコモ SH-03C

感想としては・・・・短時間しか操作できず、評価のしようがない、というところでしょうか
ただ、IS03だけは他の2機種に比べると、画面の切り替えが遅く感じました。
ちょっとカクカク感がありますね。
あと、3機種ともアイコンがGalaxy Sに比べると少し小さい感じ。
Galaxy Sのアプリ一覧のアイコンがiPhoneライクな感じだけど、3機種はAndroidの素のアイコンだからそう感じるのかな?
それとも単にディスプレイサイズの差の問題か?

でも、いずれの機種についても言えるのは、他社との差別化を狙うあまり、なんだか独自色付けすぎじゃないのかなぁ、
IS03はAndroidの標準にはない640×960という解像度。
これをやられると、アプリ開発者は異なる解像度への対応を意識した開発が必要になるわけで、結構負荷が大きくなるのでは?

こういう傾向はアップルの総帥、スティーブ・ジョブスが批判してる通りだと思う。

それ以外にも色々独自機能が付加されてるみたい。
裸眼3Dも自慢の機能のようだけど、確かに一見すると、おおって思うけど、でも、それが何か?って気もする。

個人的には、余計な機能を付けなくていいんで価格をど~んと下げた商品が欲しいな。
独自機能のない、”素”のAndroidでも必要十分なことはできる。

残念だったのは、操作できたのがスマートフォンだけで、タブレット端末が見れなかったこと。
NECが参考出展と称して”LifeTouch”と言う7インチのAndroidタブレットの説明をしてくれる時間があったけど、こちらは特に目新しいものはなかったです。

Android Market 対 App Store

Androidは、それを提供する機器メーカーや通信キャリアが独自にアプリのマーケットを提供してるケースが多いです。

iPhoneならマーケットはApp Storeだけなのにね。
マーケットは多ければいいわけではないですよね。
リアルの世界なら、色んなお店があって、色んな商品が選べる方が楽しいですけど、ネットの世界だと、どこか1箇所だけで検索すれば、世界のすべてのアプリの中から欲しいアプリが見つかるって仕組みの方が便利な気がしますけどね。

これはいわゆるAndroid Market。
世界中で開発されているアプリがここにどんどん公開されています。
現在、その数10万本を超えたとか。
いずれはiPhoneのAppStoreを抜くのは確実視されてます。


 
これから世界中の色んなメーカーがこぞってAndroid端末を売り出すし、プログラムもiPhoneはアップル独自の開発言語だけど、AndroidはJavaという、既に世界中のプログラマが習得済みの開発言語なので、パワーバランスから考えるとやはりAndroidが有利でしょう。
 
 
ほんでこっちはDocomoマーケット。
日本語アプリを探すのは楽でいいけど、やはり欲しいアプリがないことも多い。
画面をキャプチャーするDropcapというアプリはAndroidMarketからダウンロードしました。


 
これはSamsun Apps。
韓国の国内向けにはそれなりにそろってるんだろうけど、日本では始まったばかりなので、まぁこれはしょうがないですね。
でも淋しい限り。

「執念」と言えるほどの高い目標があれば、「できない理由」は消えていく 総括

最初は「誰でもできる仕事」でもやりようによっては高い付加価値を生み出せるようになずはずだ、という、自分への励ましの気持ちで、ヤマト運輸での体験を書きました。

書いているうちに、当時の色んなことを思い出し、そうか、そういうことだったんだなぁ、と、色んな経験を経んだこの年になって腑に落ちたことが色々ありました。

すべては小倉社長の、宅急便という新たなサービスを生み出すことに対する強烈な執念があってのことだったんだと思います。 続きを読む »

本日はひさびさに車と戯れる。古いレンジローバーとのマニアックな1日

今朝、仕事をしようとしていたら、車趣味の知人から連絡が・・・
埼玉の某地に保管してある車を移動させるとのことで、そのお手伝いに行くことに。
仕事が非常にタイトな状況なんだけど、友人との時間の方が仕事よりも大事な時もあります!

午前中に到着。まずは以前から気になっていた、古いレンジローバーの痛みの酷い部分の交換作業を実施。
左が私の所有している、鉄の塊。
またの名を1980年製レンジローバークラシック2ドアボディ。動かない。
右は知人の所有物、1986年製レンジローバークラシック4ドア。動かない。(どんなんやねん)


 
白いレンジローバーは内外装とも酷い状態で、特にリヤゲートはほぼ腐っている。 続きを読む »

「執念」と言えるほどの高い目標があれば、「できない理由」は消えていく その4

第7話です。
もうぼちぼち終わりにしたい・・・・

翌日配達の実現へ向けて、障害となるものをすべて取り除く、という姿勢はとにかくすごかったです。
特に、「現状に囚われず、ゼロベースで考える」ということの大切さを教えてくれたのが今回の話です。

宅急便開始当初、住宅街で小さな荷物を効率よく配達するためには、2トン車以上のトラックでは不便だということで、こういったバンタイプの車両が使われました。
超懐かしいです。(これらの画像はヤマト運輸のホームページから拝借しました)

そして、現在ではこのタイプの車両が普通ですよね。
トヨタのデリバリーバンってやつですかね。

 
 
 
 
  
 

 
 
おそらく、この新しいタイプの車両は、トヨタが開発して販売したものをヤマトが購入しているんだろう、というのが普通の認識だと思いますが、実はこの車両の第一号を開発したのはヤマト運輸なんです。(厳密にはトヨタと共同開発、ということになるんでしょうが)

当時、全国翌日配達実現へ向けて、ありとあらゆる視点で、配送業務の効率化が検討されていました。
その改善策は、本社が練るのではなく、あくまでも現場のプロジェクトチームが主体です。
車両の改善もそのプロジェクトのひとつでした。

すごいのは、「改善」とは言いながら、実際には当時の「一般的なバン型車両の構造」というものをほとんど無視して、「どういう構造の車両が集配車に適しているか」という視点でアイデアを練った点だと思います。

その時のプロジェクトチームが製作した、ベニヤ板製の車両モデルがこれです。

当然、こんな形状のバン型車両など、どこの自動車メーカーも販売していませんでした。
そこでヤマトが考えたのは「なければ作ってもらえばいいじゃないか」という、とんでもない発想。
いくら急成長中の企業とはいえ、一運送会社が天下のトヨタ自動車に、オリジナルの車両を作ってくれってんですから、今では(もちろん当時でも)考えられない話です。

それに応えてくれたトヨタもすごいですね。
もちろん、共同開発、ということで、出来上がった新しいタイプの車両を、トヨタ独自でも販売したい、という思惑があってのことだとは思いますが。

この車両、配送の効率化だけではなく、色々な工夫が凝らされています。
運転席ドアはスライド式、これは安全のためですね。
低床構造なのは、荷物の上げ下ろしが楽なる、というだけでなく、バックミラーの死角を極力少なくするため、という、これまた安全策のひとつでもあります。

運転席から荷台にスルーして移動でき、荷物は、サイドとバックと運転席の3ヶ所から出し入れできるようになる。
これにより、他社がメインで使っていた普通のトラックと比べて、圧倒的な集配効率と安全性をもたらしてくれる強力な武器を手に入れることができたわけです。

今は街中を普通に走っているこのタイプの配送車ですが、約30年前にヤマト運輸がこの構造を考え出したということを知っている人はそう多くはないかもしれませんね。

明日は採用面接初日。最終的に12名の方から正式応募いただきました。

明日と明後日の2日間で実施予定です。

1名、30分から40分程度の面接時間。

そんな短い時間で何がわかるのか、というのはありますけどね。

あえて履歴書の提出は求めませんでした。

職歴についてはサイトからエントリー時に情報を入力してもらっているので、その情報と、あとはお会いして話をすればおおよそのことはわかるかな、と。

履歴書があると、学歴が書いてあり、どうしても先入観をもってしまう。

「学歴なんて関係ないですよ」とは言え、私も学歴社会で育った人間なので、どうしても余計な視点で見てしまいますからね。

話をすると、ものすごく頭がいいか、その対局か、それがはっきりわかる人もいますが、そんな人なんてごくわずか。

9割くらいは、普通の頭の持ち主なんですよね。僕も含めて。

そうなると、やっぱり決め手は人間性。

55年も生きてると、色んな人を見ていてるし、話をすればなんとなくわかるもんです。

9月から、事務所でほとんど一人で誰とも話をすることなく仕事をしています。

今夜は明日のいい出会いを期待して眠ることにします。

「執念」と言えるほどの高い目標があれば、「できない理由」は消えていく その3

第6話です。
いつまで続くねん。

前回の続き、私が驚いた、独自のツール考案の話の前に、また思い出したことがあったので、それを書いちゃいます。
これも興味深い話です。

ヤマト運輸では全国翌日配達を目指して、当時(1980年頃から1983年頃にかけて)、世間をあっと驚かせるような”事件”を連発していました。
これらについては有名な話なので、知ってる人も多いと思いますが・・・

■大口の企業顧客との契約を片っ端から断り、自ら退路を断つ!
三越の配送業務を断った件は、”三越事件”の中の象徴的な出来事で、当時はマスコミから「ネコがライオンに噛み付いた」などと騒がれたりもしました。
その他にも、松下電器産業という、超ビックユーザーに対して取引を断りに行き、運送業界を驚かせました。
当時の私は、日を追うごとにターミナルのプラットフォームに置かれる貨物が少なくなっていくのを目の当たりにし、さすがに多少の不安を感じたのを覚えています。
でもその後、それらの大口貨物の代わりに、ボックスパレットに詰まれた宅急便でプラットフォームが占領されるまで、そう多くの月日は要しませんでした。

■運輸省に噛み付く
これも有名な事件ですが、ある朝、各社の朝刊の1面貸し切りの広告に、デカデカとヤマト運輸の「お詫び」の記事が掲載されました。
それは、
「発売予定の新価格帯のサービスは、運輸省から認可が下りないため、お約束していた期日に開始することができなくなりました。申し訳ありません。」
という趣旨の記事です。
とにかく、一面にでっかくドッカ~ン!、という感じでこの文字が掲載されてるわけです。
これには世間もびっくり、お役所は真っ青です。

当時、運送業には厳しい許認可制があり、その認可を下すのが運輸省。
この時は、それまでより小さいサイズの宅急便を新価格で発売することを計画し、その認可申請をしていたのですが、いつまでたっても一向に認可が下りない。
認可が下りない正当な理由もまったく示されないまま、ずるずると引き伸ばされるばかり。
これに業を煮やした小倉社長の打った一手がこの広告記事でした。

こんな記事を出されたお役所は面目丸つぶれ。そりゃ大激怒ですよ。
でも、マスコミを通じて国民を見方に付けた策は成功し、新運賃は認可されました。

その後、今度は運行路線の許認可問題でヤマト運輸はついに運輸省を相手取って行政訴訟を起こします。
役所はやるべき業務を遂行せず、その責務を果たしていない!という抗議の訴訟ですね。
結果、公聴会でヤマトの主張が認められ、それでようやく、全国展開が可能になったんです。

■警察とも対決するのか??
上のふたつのトピックは有名な話ですし、小倉社長の自著にも記されているし、ヤマト運輸を題材にした色んな経営学系の書籍にも書かれています。

でも、ここからの話を知ってる人はそう多くは無いと思います。

私も当時は先輩社員から伝え聞いただけだし、外部に公言されてた話でもないので、どこまで本当かは定かではありません。
でも、私の記憶だと、こんなことがあったそうです。

それは、運輸省と真っ向勝負している時期のことです。
あるとき、北海道の支社か支店(確かそうだったと思う)から、困った報告が本社に上がってきたそうです。
それは、
「最近になって、配達のために配送車を道路に止めていると、駐車違反をしょっしゅう食らい、仕事に支障を来たしている。しかも、ヤマトの配送車を狙い撃ちしているように思える。」
というものです。

さすがに、運輸省と警察では管轄が違うので、運輸省が嫌がらせで直接そんなことをさせる権限はないだろうけど、でも道路行政を担っているのは運輸省なので、何らかの働きかけはできるかもしれない。
住宅街の中を走り回っているトラックは当時はほとんどヤマト運輸だったので、「住宅地の道路事情」ということに限定して何かの規制を強めれば、ヤマトだけ不利益をこうむることになる。

どう対処したもんか、なんせ相手は警察、仮に運輸省がそのきっかけを作っていたとしても、警察に文句を言えるものでもない。
上層部は対応に苦慮し、役員会でこの問題を小倉社長に報告したそうなんです。
すると、小倉社長は、
「そうか、それはいい!、これでまた攻撃材料ができた!」
と言ったそうなんです。

で、小倉社長の意を受けて、社内では勇んで反撃策を練り始めたそうです。
すると、どこかでそのヤマト運輸社内の動きが外に伝わったらしく、ある時から北海道の駐車違反取り締まりはピタッとなくなった、というんです。

まぁ、どこまでが本当なのか、今となっては知りようもないですが、すごい話ですよね。