29日開幕の兵庫県都市対抗軟式野球大会(神戸新聞社など主催)に、縁起のいい「福男」を2人擁するチームが出場する。加古川市代表「PDT」に所属する粂(くめ)良太選手(26)と竹本陵平選手(27)は、毎年1月に西宮神社(西宮市)の境内を駆ける「福男選び」で一番福を獲得した経験を持つ。数千人がひしめく難関を突破した2人が、幸運と勝負強さでチームに「福」を呼び込む。(大盛周平)
福男選びは1月の「十日えびす」の早朝、同神社の表大門をスタートし、本殿一番乗りを目指す伝統神事。今年は約3千人が参加した。同チームでは部員が毎年挑戦し、2006、07年に粂選手が一番福をつかみ、今年は竹本選手が一番福に輝いた。
元甲子園球児の粂選手は姫路工高時代に50メートル5秒台を誇った俊足で、チームではセンターを守り3番を打つ攻守の要。主力投手の竹本選手は、走り込みで培った脚力で約230メートルの石畳を走り抜けた。
野球で鍛えた足腰で一番福をつかんだ2人。粂さんは妻の彩有里(さゆり)さん(26)が来月第1子を出産予定、竹本さんも来秋の結婚が決まるなど、私生活で吉報が届き、次は野球での「福」に夢が膨らむ。
29日に開幕する大会には県内の各地区予選を勝ち抜いた32チームが出場し、PDTは初戦突破を目指す。粂選手は「(一番福が)2人出たことでまとまりが出た」と話し、住吉盛男監督(38)は「福男の2人が引っ張り、チームはすごく成長してきている」と、上位進出への手応えを感じている。
(2011/10/28 15:30)
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